シマンテックは11月11日、2013年のサイバーセキュリティの動向予測を公式ブログで公開した。同予測は、同社のセキュリティ専門家ら数百人の意見がもとになっている。
今回公開された2013年の予測の主なポイントは以下の5つ。
- サイバー上の対立図式が一般化
- ランサムウェアが新たな脅威に
- モバイルアドウェアがさらに流行
- ソーシャルネットワークの収益化が新たな脅威に
- 攻撃者がモバイルやクラウドへ移行
同社は2013年以降、国家や組織、個人の間の競争がサイバー世界でも大きな意味を持つようになると見ている。情報を得ることや、標的に資金的なダメージを与えることを目的として、国家や組織化された個人の集団がサイバー攻撃を行うことが増えるという。また、政治的な諸問題の支持者や紛争地域における少数グループの構成員など、個人やNGOに対する攻撃も増加すると予想している。
攻撃手法や手口に関しては、偽のウイルス対策ソフトウェアが減少する一方で、システムを使用不可にして復旧を条件に金銭を要求する「ランサムウェア」が増加すると見られている。オンライン送金が可能になり、金銭の受け渡しを確実に行える環境が整ったことが要因だとされている。
モバイルアドウェア(マッドウェア)の流行も予測されている。モバイルアドウェアはモバイル端末を標的とした不正アプリで、通知バーにアラートをポップアップする、アイコンを追加する、ブラウザの設定を変更する、個人情報を収集するなどの機能を持つ。現在もモバイルアドウェアの数は増加傾向にあり、2013年はこの傾向がさらに強まると予測されている。
また、2013年はソーシャルネットワークサービスに関する危険性が高まると見られている。ソーシャルネットワークサービスにおいては現在、ギフトの購入や配達などによってプラットフォームを収益化する方法が模索されているが、これによりユーザーがネットワーク上で支払いを行う機会が増え、金銭を目的としたサイバー犯罪も増加する可能性があるという。
近年注目を集めているモバイルプラットフォームやクラウドサービスも、ユーザーの増加にともなって攻撃者の標的になりやすく、「2013年もモバイル関連技術が発展し続けることは間違いなく、サイバー犯罪者にとって新しいチャンスが生まれることもまた確実」との見解が示されている。