NXP Semiconductorsと村田製作所は11月13日、村田製作所のRFIDモジュール製品「マジックストラップ」にNXPのUCODE I2Cテクノロジを取り入れた製品を追加したことを発表した。
このマジックストラップ+I2C製品は受動UHF RFIDの標準規格をベースとし、デバイスや機器の電源が切られている状態でも、標準UHFリーダを使用してマジックストラップ+I2Cのメモリのデータの読み取り/書き込みが可能だ。このため、出荷のためにカートンボックスに梱包されたエレクトロニクス製品の言語設定変更や対象市場向けコンフィギュレーションが可能となり、組立工程の段階や電源を入れた状態で設定を行う必要がなくなるため、OEMメーカーは地域ニーズへの対応やモデルごとの仕様変更に正確な対処ができるようになるほか、製造工程や物流段階でのコストを削減することができるようになるという。
また、UCODE I2Cに内蔵されプロテクトされた個別IDは偽造や不正流通市場から製品を防御することができ、暗号アルゴリズムを組み合わせることによってさらに強固なセキュリティを確立することが可能。マジックストラップはアンテナブースターへの接続なしでも書き込みが可能であり、製品の全ライフサイクルを通じて完全なトレーサビリティを実現することができるという特長がある。
マジックストラップはPCB基板にはんだ付けされ、エレクトロニクス製品のライルサイクルを通じて製品内に留まるため、リサイクル段階における関連データやWEEE指令のコンプライアンス証明の提供も可能であることから、それらにかかるコスト削減も可能となっている。
なお、マジックストラップ+I2Cはすでにサンプル提供を開始しており、2013年第1四半期中の量産開始を予定しているという。