文房具店をフラフラ見て歩くのは書店で過ごす時間に似ている。刺激的で、アイデアをもらう時間である。
だが、文房具店をゆっくり見て回る時間はあまり多くない。仕事の合間に必要な文房具を買うケースはとくに顕著で、あわただしく必要なものをそろえ、「もっとゆっくり見たいのに」と後ろ髪を引かれながら店を後にしなければならない。
しかし、PRESS MANと出会ったのはそんな「あわただしさ」のおかげである。
その日、仕事の合間にいくつかの文具類を買い、最後に「そうだ、シャーペンも古くなっていた」とあわてて購入品に加えたのがPRESS MANだったのだ。
言ってみれば、「間違って買った」商品。“普通の”シャーペンを買うはずだったのだから。
しかし、偶然出会ったPRESS MANの書き味には、本当に驚かされた。私が知っているシャープペンシルとはまったく違う。芯がやわらかいためか、力を入れなくてもサラサラと書ける。
この書き味が、アイデアを書き留める際に非常によいのだ。プレゼンの絵コンテ案をスケッチするのにもいい。絵が苦手な自分だが、なぜかPRESS MANだと筆が動く。
書くことにまったくストレスがかからないため、考えることに集中できるのである。
よくよく見てみてみると、芯が0.9ミリと通常のシャープペンシルより太いことに気がついた。
調べてみると、どうやらPRESS MANという名前のとおり、新聞記者のような人向けの「速記用シャープペンシル」らしい。驚くことに、30年にわたるロングセラーだとか。
PRESS MANを開発したプラチナ万年筆株式会社は筆圧が強くても芯が折れづらい「オ・レーヌ」などユニークな商品を多くつくっている。PRESS MANも筆記具に特化したメーカーならではの商品なのだろう。
多くの人は、ペンの書き味を比較してもシャーペンの書き味を比較したことはないのではないか。
しかし、一度使ってみると、シャーペンが違うだけで自分の発想力が格段に変わることを実感できるはずだ。
情報提供: ビジネスお役立ちサイト「プラス」