富士通セミコンダクター(FSL)は11月6日、ARM Cortex-M4コアを採用した32ビット汎用RISCマイコン「FM4ファミリ」ならびにCortex-M0+コアを採用した「FM0+ファミリ」を開発、2013年夏より順次サンプル出荷を開始すると発表した。すでに提供を開始しているCortex-M3コア搭載「FM3ファミリ」と合わせると、700製品以上のARMマイコンがラインアップされることになるという。
FM4ファミリは、Cortex-M3にはなかったDSPとFPUをコアに持つCortex-M4を採用することで、CPUの演算処理能力を強化させたもの。FPUはコアオプションながら、同ファミリの全製品に搭載予定だという。
また、FM3ファミリの周辺機能を継承しつつ、SDRAMおよびSDカードインタフェース機能の追加、パッケージラインアップの拡充、各種タイマやシリアル通信機能の拡張などが行われており、インバータ制御機能や各種通信機能、CAN、USB2.0、Ethernetのほか、高速シリアル通信機能や高速、高機能なADコンバータの搭載により、FAやインバータ機器などの産業機器向けモーター制御・ネットワーク制御に適していると同社では説明する。
一方のFM0+ファミリは、低消費電力コアCortex-M0+とFM3ファミリの周辺機能などを統合した省エネモデルの製品群。Cortex-M0+コアは、旧来のCortex-M0コアに比べて処理性能を10%向上させつつ消費電力を3分の2に抑え、コアだけでなくマイコン製品としても消費電力を低減させる機能が備わっているため、低消費電力に特化した製品をラインアップしていく予定とする。動作時電流は70μA/MHz、待機時電流は0.7μA(RTCモード)をターゲットとしており、低消費電力化を要求される電池駆動機器や電力メータなど計測機器、または各種センサ制御に向けて提供する計画。
また、既存のFM3ファミリも現在の463製品から今後、2013年までに570製品まで増やす予定だという。中には従来ラインアップになかった1MB以上のフラッシュメモリを搭載した製品や、周辺機能を極力絞った少ピン製品なども展開される予定で、これにより、低消費電力と多くのメモリ容量を必要とするAV機器やマルチファンクションプリンタ、省スペースが要求される小型機器やモジュール機器に適用できるようになるとしている。