Texas Instruments(TI)は、デジタルI/Q復調機能とデシメーション機能を統合し、超音波診断装置やソナー、非破壊検査などの超音波システムで用いられるFPGAのデータ処理要件を低減するアナログ・フロント・エンド(AFE)製品「AFE5809」を発表した。

同製品は、内蔵デジタル復調器により、システム内のデータ処理要件とLVDS配線数を低減することが可能であり、コスト効率を向上させることができる。また、内蔵のCWD(連続波ドップラー)ミキサと加算アンプは、-156dBc/Hz(2.5MHzの搬送波から1KHzでの値)以下の近接位相ノイズを実現しているほか、超音波AFEとして業界最小クラスとなる0.75nV/√Hzのノイズと158mW/チャネルの消費電力を実現している。さらに、内蔵の14ビット、65MSPSのA/DコンバータのSNR(信号対ノイズ比)は各77dBFSを実現しており、これにより鮮明なイメージ品質を提供することが可能となっている。

加えて、デジタルI/Q復調器は最大32個のプリセット構成プロファイルを備えているため、製品設計を簡素化が可能となっている。

なお、同製品は15mm×9mmの135ピンBGAパッケージですでに量産提供を開始しており、1000個受注時の単価は87ドル(参考価格)となっている。

デジタルI/Q復調器を内蔵した超音波AFE「AFE5809」