日商エレクトロニクスとグループ会社のエヌシーアイは、VMwareベースのエンタープライズ向けプライベートクラウドサービス「ZETA Cloud(ゼタクラウド)」の提供を12月12日より開始すると発表した。

「ZETA Cloud」は、クラウド/オンプレミス環境を一元管理する冗長化型プライベートクラウドサービスで、2種類のサービスから成り立つ。

「ZETA Cloud Private」は、完全冗長化、変動リソースを実現したプライベートクラウドサービスで、「ZETA Cloud Recovery」は、オンプレミスで運用している仮想サーバ上のデータのバックアップやリカバリサイトをデータセンター内に構築するサービス。

「ZETA Cloud Private」はサービスを構成する要素(ハードウェアやソフトウェアなど)がすべて冗長化されており、クラウド/オンプレミス環境を接続・連携させることが可能。また両環境の運用管理を代行するサービスも提供する。

「ZETA Cloud Recovery」は、オンプレミスで運用されている仮想サーバ上のデータのバックアップやリカバリサイトをデータセンター内に構築する。

同社では、2012年12月の大阪データセンターの開通にあわせて、サービスの提供を開始。また、2013年の1~3月には、北海道の石狩データセンターおよび横浜データセンターも相次いで開通される予定で、これらのデータセンターをDR対策やBCP対策として活用できるオプションも提供する。

来年3月までに3つのデータセンターが開通

価格は、「ZETA Cloud Private」が初期費用10万円、月額費用が8万5,000円から(CPU:4コア、メモリ:24GB、ストレージ:200GB)で、「ZETA Cloud Recovery」が初期費用10万円、月額費用が14万円から(CPU:8コア、メモリ:48GB、ストレージ:VMwareの実行に必要な容量のみ)。

「ZETA Cloud Private」

「ZETA Cloud Recovery」

また、両社は2013年4月以降、第2フェーズとして、各データセンターを専用バックボーンで結び、1つの大きなリソースプールとして構成。万が一どこかのデータセンターがダウンしても、他のサイトで代替実行できる環境を標準で提供する予定。

日商エレクトロニクス 取締役 常務執行役員 鈴木達氏

日商エレクトロニクス 取締役 常務執行役員 鈴木達氏は、「昨年からデータセンター事業に関するさまざまな発表をしてきたが、データセンター事業は双日グループの成長戦略の1つに位置づけている。さくらインターネットはグループ会社だが、コロケーションとホスティングが中心で、エヌシーアイは大手企業、SI事業者向けのエンタープライズ事業を手がける。エヌシーアイは、日商エレクトロニクス本体のリソースを活用し、事業展開していく。この事業分野は成長分野として期待しており、今後リソースを積極的に投下していく」と述べた。

両社では今回のクラウドサービス提供にあたって、新たにオンプレミス/クラウドを一元管理できる統合管理ツールを開発。このツールでは、各画面を単一画面で監視し、遠隔操作も可能にする。

統合管理ツール

エヌシーアイ 代表取締役社長 橋本晃秀氏

エヌシーアイ 代表取締役社長 橋本晃秀氏は、「今後はZetaシリーズのもとに新たなサービス展開していく。企業の課題には運用面、コスト、セキュリティながあるが、運用は無くすことができない。オンンプレミスとクラウドを二重に運用するのは難しく、海外のデータセンターは運用の複雑さが問題になっている。我々はこれらを解決していく。ハイブリッドは、単に線をつなぐだけでなく、1つの画面で、物理と仮想の両方を監視ができるのが重要だ」と述べた。

そして鈴木は、初年度100社を目標に事業を展開すると語った。