日本オラクルは10月30日と31日の2日間、東京・恵比寿のホテルでプライベートイベント「Oracle Days Tokyo 2012」を開催。初日の10月30日には基調講演の中で、日本オラクル 専務執行役員 製品事業統括 三澤智光氏が、10月29日に発表した「Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine」についての紹介を行った。
三澤氏は、オラクルの2大戦略として「Oracle Cloud」と「Oracle Engineered Systems」を紹介。「Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine」は、そのうちの1つEngineered Systemsに含まれるソリューションで、同氏は、他社との大きな差別化の1つだと説明した。
同氏は、Engineered Systemsを「ソフトとハードを融合して提供」するものと説明。特徴として、とにかく早いこと、オンプレミスとクラウドの行き来が自由である点を挙げた。コンセプトは、ITをシンプルにすること、ハイパワーのシステムを提供することだという。
そして同氏は、Engineered Systemsを提供する背景として、HDDやネットワークのボトルネックがあると説明。
「現在のサーバ、ストレージ、OSなどが個別に存在する複雑なシステムで、どのベンダーを組み合わせても大きな差はない。この10年でCPU性能は100倍以上になっているが、ネットワークは10倍、HDDは1.x倍で、CPUの発展にHDDやネットワークの進歩が追いついておらず、ボトルネックになっている」述べた。
そして、同社のEngineered Systemsは、このボトルネッックを解消することにあると説明した。
「Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine」は、1台あたり2.4TBのフラッシュメモリを搭載でき、8台を組み合わせれば、最大22TBのFlashメモリを搭載できる。これにより、22TBのデータをメモリで処理でき、データの圧縮機能を利用すれば、200TB分のデータをメモリに展開できる(アーカイブにより20TBに圧縮)。これにより、HDDのボトルネックを解消できるというのが、同氏の主張だ。
最大200TB分のデータをメモリに展開できる |
また、更新された「Exadata Smart Flash Cache」ソフトウェアにより、書き込み性能が前バージョンと比較して20倍高速化しているという。
そして、これらにより、大規模利用、リアルタイムのビジネスアナリクスが可能になり、同氏は「他社は追随できない」と自信を見せた。