Applied Materials(AMAT)は10月30日(米国時間)、次世代の超高精細(UHD)テレビや携帯機器などで求められる、高い画素密度のスクリーンを可能にする新しいPVDおよびプラズマCVD技術を発表した。

この技術の核となるのは、新しい酸化物半導体および低温ポリシリコン(LTPS)であり、酸化物半導体TFT製造用スパッタリング装置「Applied AKT-PiVot PVD」およびフィルム成膜装置「Applied AKT-PX PECVD」により、これらを安価な製造コストで量産することが可能になると同社では説明する。

AKT-PiVot PVDは、独自のロータリーカソード技術により、高い電子移動度を持つIGZOを用いたトランジスタチャネルを形成する膜を成膜することが可能。IGZOの課題であり、酸化物半導体技術が液晶ディスプレイの主流となる障害となっている、ディスプレイの品質を損なうムラ現象を解消する成膜技術を搭載しており、これによりコストを低減しつつ、美しく、手頃な価格の大画面有機ELテレビを可能にする、有機ELディスプレイ用酸化物半導体バックプレーンの製造が可能になるという。

また、LTPS技術は、モバイル用液晶ディスプレイおよび有機ELデバイスにおいて、高精細なディスプレイを可能にするものとしてすでに実証された技術であるが、大型化は難しく、面積当たりの高い製造コストが課題となっていた。

一方のAKT-PX PECVDは従来装置から対応基板サイズを拡張、1.6m2から5.7m2サイズのガラス基板上に、均一なLTPS膜を成膜することを可能とした。基板の大型化により、製造効率を向上することが可能となり大型液晶テレビなどに適したコストでLTPSを活用することが可能になるとしている。

「Applied AKT-PiVot PVD」の外観

「Applied AKT-PX PECVD」の外観