ヴイエムウェアは10月30日、最近リリースされたVMware vCloud Suiteの重要な改善を含む、クラウド管理ポートフォリオのアップデートを発表した。新しい管理ポートフォリオは、Software-Defined Datacenter(ソフトウェア定義のデータセンタ)の構築を支援し、クラウドコンピューティングの効率性と俊敏性を顧客が実現する。

今回、VMwareはvCloud Suiteの管理コンポーネントを強化した。主なアップデート製品は「vCenter Operations Management Suite 5.6」、「vCloud Automation Center 5.1」、「vFabric Application Director 5.0」、「vCloud Connector 2.0」。

「VMware vCloud Connector」

「vCenterOperationsManagementSuite5.6」は、vSphereのユーザが無償で利用できる新エディション「vCenter Operations Manager Foundation」が追加された。また、ITポリシー、セキュリティのガイドライン、規制基準などのコンプライアンス要件に準拠するために、運用管理ダッシュボードにコンプライアンスに関するビューを導入。カスタマイズ可能なグループベースの新しいビューを通じて、ビジネスの優先度に合わせたIT運用を行うことが可能になる。また、今回のバージョンからは、VMware vCenter Operations Suite に含まれるvCenter Operations ManagerのGUIが日本語化される。

「vCloudAutomationCenter5.1」は、VMware vCloud Suiteに新たに追加され、ITサービスのプロビジョニング管理を実現する。本製品は今年7月にVMwareが買収したDynamicOpsをベースとしており、VMware製品を中心としたプライベートおよびパブリック クラウド、物理インフラ、複数のハイパーバイザー(Microsoft Hyper-VやCitrix XenServerなど)、AWS(Amazon Web Services)などの環境で、ポリシーベースのプロビジョニングを可能にするサービス管理機能を提供する。

共通のセルフ サービス ポータルを通じて、管理者、開発者、企業ユーザはクラウド間で新しいITサービスの要求や既存ITリソースの管理を行うことができる。

「vFabricApplicationDirector 5.0」は、標準化、および、事前に承認されたOSとミドルウェアのコンポーネントにより簡単に作成できるブループリントを活用することで、さまざまなクラウド環境における多階層アプリケーションのモデリング方法を標準化し、その導入を高速化する。

VMwareはvFabric Application Directorがサポートするアプリケーションの範囲を拡張し、Exchange、SQL Server、SharePointなどのMicrosoftアプリケーション、Java、.Net、Ruby on Railsなどの開発言語で作成されたカスタム アプリケーションに新たに対応する。

「vCloud Connector 2.0」は、大幅な機能強化が行われ、vSphereとvCloud Directorによるプライベート クラウド環境に加え、VMware vCloudサービスプロバイダが提供するパブリッククラウドの間で仮想マシン(VM)とアプリケーションを移動することができる。

最新版となるvCloud Connector 2.0では、ワークロードのカタログをハイブリッド クラウド環境全体で共有できるほか、ワークロードが移動した場合のネットワークの再設定が必要無くなり、データセンタの論理境界が拡張される。遠隔地のチーム同士でクラウド環境の単一かつ同期したワークロードカタログを共有できるため、開発作業を協調させることができる。

VMware vCloud Automation Center 5.1、VMware vFabric Application Director 5.0、VMware vCloud Connector 2.0、VMware vCenter Operations Management Suite 5.6は、VMware vCloud Suiteに同梱される。vCloud Suiteの市場想定価格は、1プロセッサあたり62万5,000円から。ライセンスはプロセッサ単位で付与され、1プロセッサあたりのコア数やvRAMに関する制限はない。

アップデートされたクラウド管理ソリューションは、2012年第4四半期より出荷開始予定。