セイコーエプソンは10月30日、E Ink製電子ペーパーディスプレイ(EPD)を駆動するための主要部品を実装した小型モジュール「S4E5B001B000A00」を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。
EPDの応用製品の市場は現在、コンシューマ向けの電子書籍端末の用途が主流であるが、今後は、流通、広告、医療・健康などの産業分野においても、これまで紙や液晶ディスプレイが使われていた棚札、POP、看板などを中心に、EPDの採用が進むことが期待されている。しかし、EPDの表示制御には専用の制御ICや電源回路が必要なため、開発者にとって適切な部品を調達し設計することが、産業分野向けのEPD搭載製品を新規に開発する際の課題の1つとなっている。
同製品は、これまで同社が電子書籍端末向けに販売してきたEPD制御IC「S1D13522」を搭載したほか、EPD制御信号データ(Waveform)搭載用フラッシュメモリ、EPD用電源ICなど、必要な周辺部品を1つのモジュールに実装しつつ、モジュールサイズを23mm×23mm×2.4mmに収めているため、製品基板上に直接実装することが可能であり、産業用途のEPD搭載製品の開発において、多くの工数を削減することを可能とする。
なお、サンプル価格は4,800円で、2012年12月から量産品の製造開始を予定している。