Analog Devices(ADI)は、業界最高レベルの低い位相ノイズ特性を実現したフラクショナル-N型PLLシンセサイザ「ADF4153A」を発表した。

同製品は、同社の4GHz フラクショナル-N型PLL 「ADF4153」のアップグレード版で、4GHzまでのRF信号入力帯域幅を持ち、ローノイズのデジタル位相周波数比較器(PFD)、高精度なチャージ・ポンプ、ΣΔフラクショナル-N分周器、プログラマブルなリファレンス分周器から構成されており、ADF4153と比べPLL位相ノイズ性能指数を3dB改善したほか、1/fノイズも7dB改善しているため、同社では通信インフラストラクチャやパルス・ドップラ・レーダ、FMCW(周波数変調連続波)レーダ、試験・計測機器、マイクロ波ポイントtoポイント・システム、業務用移動体無線機、VSAT(超小型衛星地上局)、航空宇宙システムなど、さまざまなアプリケーションで、キャリア信号の全位相ノイズ量を容易に改善することができるようになると説明している。

電源電圧は2.7Vから3.3Vに対応し、1.8Vロジックとの互換性を確保。PLL位相ノイズ性能指数は-223dBc/Hz、1/fノイズは1GHzキャリア、10kHzオフセットで-121dBc/Hzを実現しており、チャージ・ポンプ電源が別系統であるため、3Vシステムでチューニング電圧の拡張が可能(最大5Vまで)。また、モジュラス分周数およびチャージ・ポンプ電流量がプログラマブルなことに加え、高周波信号出力の位相もプログラマブルとなっている。

なお、同製品はすでに量産出荷を開始しており、1万個受注時の単価は1.81ドルとなっている。