住友金属鉱山と日立電線は10月29日、住友金属鉱山のリードフレーム事業と日立電線のリードフレーム事業を統合すること、ならびに日立電線の伸銅事業(鋼管事業/黄銅事業を除く)に住友金属鉱山が資本参加することについて、同日付で事業統合契約を締結したと発表した。
今回の事業統合により、リードフレーム事業は住友金属鉱山の有する一般ICリードフレームの海外営業力と日立電線のパワー半導体向けリードフレーム製造技術を、両社の商流を相互に生かした拡販を通じて世界市場で競争力を強化することができるようになると同社では説明するほか、生産設備や拠点の有効活用、営業・管理業務の効率化、製造技術の相互補完・融合による相乗効果を見込むとする。
また、リードフレーム事業と伸銅事業における銅条部門が協働し、素材から製品までの一貫生産を行うことで、開発力の強化および新規分野の開拓速度を向上させることも可能になるとする。
一方の伸銅事業は、事業統合により日立電線の半導体用鋼条を安定的かつスピーディにリードフレーム事業へ供給することができるようになるほか、マーケティングの強化により、市場ニーズにマッチした製品開発と市場投入を幅広く実現できるようになるとする。
また、半導体用鋼条の強化のほか、自動車用途ならびに産業用途の伸銅製品の伸長にも注力することで、総合伸銅メーカーとして競争力の強化と顧客サービスの向上を目指すことが見込まれるともコメントしている。
なお、統合会社は2013年4月1日付で2社発足する予定で、住友金属鉱山と日立電線では今回の統合による損益改善効果は年間10億円程度が見込まれるとしている。
リードフレーム事業統合会社の概要
- 名称:SHマテリアル株式会社(仮称)
- 資本金:10億円
- 出資構成:住友金属鉱山51%、日立電線49%
- 事業内容:リードフレーム製品および関連製品の製造・販売
- 年間売上高:約350億円
- 従業員数:約2700名(営業・製造の拠点関係会社を含む)
伸銅事業統合会社の概要
- 名称:HS伸銅株式会社(仮称)
- 資本金:10億円
- 出資構成:日立電線50%、住友金属鉱山50%
- 事業内容:伸銅(銅条・電伸)製品の製造・販売
- 年間売上高:約450億円
- 従業員数:約700名