Dassault Systemsは、医療機器メーカー向けに新たなインダストリー・ソリューション・エクスペリエンス「ライセンス・トゥ・キュアー(Licensed to Cure)」の発売を発表した。
同ソリューションは、同社の3Dエクスペリエンス・プラットフォームを基盤としており、これを活用することで、メーカーはイノベーティブかつ安全、そしてコンプライアンスに完全準拠した医療機器をスピーディに開発できるようになると同社では説明している。
規制当局の審査の厳格化により、医療機器メーカーは総合的な品質と安全を確保しなければならないというプレッシャーにさらされているが、米国食品医薬品局(FDA)の警告書の発行数も増加し続けている。一方で、これらのメーカーが規制関連業務に費やす時間とコストは上昇を続けており、そうした負担の軽減が求められていた。同ソリューションでは、イノベーションの実現に向けて情報を一元化するほか、変更プロセスを完全に透明化・文書化することで、医療機器メーカーがリソース配分を最適化し、知的資産(IP)を最大限に活用できるようになるほか、規制当局への申請プロセスを合理化することが可能になるという。
具体的には、企業のプロセスやデータの分散を排除し、各種規制を資産の一項目として組み込み、品質とコンプライアンスを最適化すると共に、コスト削減と開発期間の短縮を実現できるほか、情報の一元化により、メーカーが常に最新、かつ適切な情報を入手できるようになり、同一の正確な製品データに基づく真のコラボレーションを実現することが可能になるという。
また、官僚的なタスクを自動化し、製品化において適切な初期品質の確保へとつながる手順を確実に実施することが可能であり、それにより規制当局の承認を得るまでの時間を短縮することができるほか、設計履歴ファイル(DHF)や機器原簿(DMR)など、常に変化・更新がなされるプロセスや文書を構造化することで、完全なトレーサビリティを確保し、レポーティングや申請の自動化を可能にすることも可能となっている。
さらに医療機器メーカーのサプライチェーンやバリューチェーン全体を最適化し、消費者にとってのブランド価値やブランドイメージを守りながら、コンプライアンスや品質に関わるリスクを低減することも可能だという。