アドビ システムズよりリリースされた「Adobe Premiere Elements 11」は、初心者でも簡単に動画作成を楽しめる、コストパフォーマンスにも優れたビデオ編集ソフトウェアだ。同製品は、プロフェッショナルからも愛用されているビデオ編集の定番ソフトウェア「Adobe Premiere」の最新エントリーモデルにあたる。
「Adobe Premiere Elements 11」は、コンシューマー向けビデオ編集の定番ソフトウェアの最新バージョン。価格は通常版が1万4,490円で、WindowsとMac OS Xに対応する |
本レポートの前編では、「Premiere Elements 11」から追加された新たなインタフェースについて触れてきた。今回は、ビデオに効果をつける新機能をピックアップして解説していこう。
ビデオを効果的に演出する新エフェクト
「Adobe Premiere Elements 11」では、ビデオの演出に効果的なスペシャルエフェクトが強化された。トイカメラのようにクリップの周辺部の明るさや彩度を落とす「周辺光量補正」エフェクトをはじめ、新搭載の「フィルムルック」カテゴリには、映像を映画のように加工できる、多彩なエフェクト群を収録している。
さらに、映像のトーン全体を調整可能な「色温度と色合い 」、Photoshopなどでもお馴染みの描画モード27種類をサポートした「不透明描画モード」、特定のカラーによる色かぶりやシャドウの異なるカラーによる色かぶり補正する「明暗別色補正」、特定のカラーの色相、彩度および輝度を調整する「HSLチューナー」など、充実した画質調整機能が備えられている。
トイカメラのような演出も、アクションバーの「エフェクト」から「周辺光量補正」を適用するだけでOK。また、「フィルムルック」カテゴリでは、ワンタッチで映像を複雑に加工できる |
撮影した映像のシーンは良かったものの、色味がおかしいといった問題も、豊富に用意されたレイヤー描画モードやカラー調整機能を使用して簡単に修正できる |
クイックビューの新機能に加えて、エキスパートビューには、クリップのインポイントまたはアウトポイントを変更せずに再生速度と長さを変更できる「タイムストレッチ」、各オーディオトラックのボリュームとバランスの調整が行える「オーディオミキサー」などが、ツールパネルの新しいオプションとして使用可能となっている。これらの機能を活用することで、より詳細で自由度の高い映像編集が実現できる。
手間ひまかけずに高クオリティを実現する「インスタントムービー」機能
映像編集に時間をかけず、しかも見栄えのするムービーを作成したいというユーザーには、「インスタントムービー」機能がオススメだ。本機能では、あらかじめ用意された多彩なムービーテーマから任意のテーマを選択するだけで、タイトルやサウンドトラック、エフェクトやトランジションなどを含んだムービーをすばやく簡単に作成できる。
なお、設定は自由に変更できようになっているので、 自分の好みに合わせて音楽やエフェクトをカスタマイズしたり、独自のタイトルやエンディングクレジットを挿入するといったことも可能となっている。
このように、「Premiere Elements 11」はますます便利、かつ多機能に進化した。このソフトウェアを活用すれば、普段から撮りためた動画や写真を活用し、プロクオリティーのエフェクトやサウンドで演出を行った思い通りのオリジナル作品を手軽に作りだすことができる。
もちろん、完成した作品は、DVDやBlu-rayディスクなど様々なメディアに書き込むだけでなく、YouTubeやFacebook、Vimeoなどで公開・共有も行うことができる。「Premiere Elements 11」で、心に残る自分だけのムービー作りに、ぜひとも挑戦してみよう!