Texas Instruments(TI)は、入力信号波形を検証するアイモニタを集積したシリアルデジタルインタフェース(SDI)リクロッカ「LMH0366」を発表した。
同製品は、オンチップオシロスコーププローブの集積により、システム内のあらゆるポイントで伝送信号の検証を可能にし、製品開発期間を短縮を実現する。アイモニタのリモート診断機能とシステムデバッグ機能により、時間と修理コストが節減できるほか、3Gbps HD/SDリクロッカで、デジタルビデオルータ、分配アンプ、ビデオ試験装置向けに高いジッタ特性とシグナルインテグリティ(信号の整合性)を提供しつつ、消費電力は競合製品比で50%減となる100mW(代表値)を実現しており、より小型の筐体でチャネル数と機能を増やすことが可能になっている。さらに、競合製品と比較して伝送距離を50%延長しており、バックプレーン上や長いプリント基板配線上での信号配線の際に、柔軟性を向上させており、例えば競合製品のFR-4上でのイコライズ可能距離が最大40インチ(101.6cm)なのに対し、同製品では最大60インチ(152.4cm)まで延長できるとしている。
加えて、競合製品の場合、正しいデータレートへのロックのために外付けリファレンス用水晶が必要であるのに対し、同製品では入力信号のデータレートを自動的に検出し、外付け水晶の追加を不要にした。これにより、システム設計の簡素化とBOMコストの低減が可能になったという。
同製品は同様の機能を持つ4:1入力マルチプレクサ内蔵のリクロッカ「LMH0376」に続いて発売された製品であり、シリアルデジタルビデオデータのリタイム機能は、SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)の424M、同292M、同259M-Cなどの高解像度非圧縮ビデオ信号伝送規格に準拠している。
なお、パッケージは「LMH0366」が4mm角の24ピンQFN、「LMH0376」が7mm角の48ピンQFN。価格は1000個受注時で「LMH0366」が19.95ドル、「LMH0376」が21.50ドル。「LMH0366/0376」を使用するシステムの開発を実現する評価モジュール(EVM)「SD3GDAIII」は499ドル。また、基板のシグナルインテグリティ要件検証向けに「LMH0366/0376」のIBISモデルも提供中だという。