セイコーエプソンは10月24日、独Merckと有機ELディスプレイ向けインクジェット用インクに関する協力関係を結び、インク化技術の供与について合意したことを発表した。同合意により、エプソンは有機ELテレビ用ディスプレイ製造のための、有機EL材料を溶解するインク化技術をMerckに供与することとなる。

インクジェット方式による有機ELディスプレイの量産を実現するためには、長寿命の有機EL材料と、有機EL材料を正確かつ高速で吐出(印刷)するためのインク化技術が必要不可欠である。インクジェット方式による製造に適した長寿命で高品質な有機EL材料を提供する能力を有しているMerckと、有機EL材料をインクに加工し、このインクをインクジェット方式の製造装置から吐出させる技術を有するエプソンが提携することにより、両社の持つ強みが組み合わされ、有機ELインクの実現が加速されると両社は今回の提携の意義を説明している。

また、両社はインクジェット方式による有機ELテレビ製造を可能にする業界標準インクのロードマップを作成するなど、今後も緊密な連携を続けていく方針を示すほか、Merckは、将来にわたって有機ELテレビ業界の要望に応えるために、インクの商品化を進めていくとしており、有機ELインクにおいてエプソンとの協業を進めることで、現在および将来のテレビ用ディスプレイ関連技術の開発に積極的に取り組んでいくとしている。