NXP Semiconductorsは、組み込みシステムで一般的に必要とされる機能を統合した独自オプション「Agile I/O」を搭載した8/16ビットGPIOデバイスの新製品ファミリ16製品を発表した。
同製品群は、I2Cバスの2本のワイヤを8/16ビットの汎用I/Oとして拡張し、キーボードやスイッチ、LED、ディスプレイさらにはステッピングモータとのインタフェースを可能にして、マイクロプロセッサやカスタムASIC上のピンを節約することを可能とする。Agile I/O機能搭載のGPIOエクスパンダは、外付け部品を不要にしてPCB基板上の占有スペースを最小化することにより、部品コスト(BoM)をさらに削減するととともに、リアルタイムなイベント把握によりソフトウェアの遅延を排除して信頼性を高め、ファームウェアの開発工程を簡素化することが可能だ。
今回発表された16品種には、業界標準のI2C GPIOエクスパンダ8品目に加え、Agile I/O機能を追加した8つのデバイスが含まれている。GPIOエクスパンダの新製品は、レベルシフティング機能を含めて最低1.65Vまでサポートする幅広い動作電圧範囲を実現し、従来の2.3~5.5V対応のGPIOデバイスを置き換えることでコスト削減を実現する。
またAgile I/Oの機能として、インプットに状態変化が生じた際に制御プロセッサへの報告を戻す割り込みピンや、デバイスの電源を落とさずにデバイスをデフォルト状態に戻すハードウェアリセットピン、電圧の異なるドメイン間で簡単なレベルシフティングを実現する2本の電力供給ピンなどを備える。さらに、ソフトウェアプログラマブル機能には、入力状態を保持するインプットラッチ、プルアップ/プルダウン抵抗、MCUへの割り込み数を抑制し、割り込みの応答性を向上する割り込みマスク、実際の割り込み原因となった入力を特定する割り込みレジスタレポート、複数の出力スイッチが同時稼働する際のシステムノイズを最少化する出力ドライブ強度制御などがある。
同製品群は、豊富なデバイスオプションとパッケージを揃え、システム設計時に適切なデバイスを最適な価格で選択することが可能。パッケージは、TSSOP、0.5mmピッチのQFNなど。また、「PCA(L)6408AHK」は0.4mmピッチQFN、「PCA(L)6416AEV」は0.5mmピッチBFAで提供されている。両製品とも、拡大する携帯市場向けにAgile I/O機能を搭載したバージョンが0.4mmピッチBGAで発売されている。