ロームは10月18日、スマートフォンなどポータブル機器向けに、低VFを実現した小型ショットキーバリアダイオード「RBE」シリーズを開発したと発表した。

近年、スマートフォンなどのポータブル機器では、多機能化が加速する一方で、バッテリの長時間駆動が強く求められている。消費電力の低減のため、電源回路の低電圧・大電流化が進み、電源回路に使用されるショットキーバリアダイオードには、低VFかつ平均整流電流の高い製品が必要とされている。しかし、VF低減や大電流化を達成するためには、チップサイズを大きくする必要があり、小型化ニーズを満たすことが困難だった。

今回同社では、ダイオードの素子構造を見直すことで、電流効率を改善。従来パッケージ品と比較して、VFを約32%低減し、業界トップクラスとなる低VFを実現した。これにより、順方向電流の印加によって生じる発熱を抑えることができ、従来品と同じパッケージでも大電流保証が可能となった。また、大電流保証の実現により、従来パッケージ品より小型パッケージでの設計が可能となり(同電流定格で比較)、最大で実装面積を約80%削減できるという。今後、さらに小型・低VF・大電流化を追求し、ニーズに応じたラインアップを展開していく方針だという。

なお、パッケージでは、1.0mm×0.6mmサイズのVML2を新たにラインアップに加えた。これにより、ポータブル機器のさらなる省スペース化が可能になるという。なお同製品は、すでに月産500万個体制で量産を開始していたが、採用案件の増加に伴い、2012年9月より月産1000万個に増産している。

低VFを実現した小型ショットキーバリアダイオード「RBE」シリーズ