MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD実行委員会は、デザイナーを目指す学生の卒業制作を表彰する「MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD」の受賞作品を決定した。

同アワードは、デザイン専攻の学生が制作した卒業制作を募り、その中から審査により受賞作を決定するというもの。2012年度は合計260点もの作品が寄せられ、全14点の受賞作品が選ばれた。

大賞

数ある応募作の中から大賞に選ばれたのは、武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン科の鈴木陽香さんの作品「自然色彩集」。これは、自然から採取した素材を使って染め出した色に、素材そのものの名前をつけた全100冊の色見本帖だ。

色のサンプルを作るだけでなく、媒染の種類による染め色の違いや、採集した自然色の分布図、染色に使った自然素材に関する文学作品の収集など、圧倒的な作業量と、作品としての丁寧な仕上がりが、審査員一同から高く評価された。

「自然色彩集」

佳作ならびに三菱化学賞

佳作には、武蔵野美術大学大学院 造形研究科 デザイン専攻の小瀬古智之さんの「Sunset in Between Letters」、ならびに武蔵野美術大学 造形学部通信教育課程 デザイン情報学科の永尾牧子さんの「未来昆虫記」が選ばれた。

また、三菱化学賞には東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科の内野真仁さんの「foot(プラットホームにおける音情報の視覚化提案)が選出された。

「Sunset in Between Letters」

「未来昆虫記」

「foot」

審査員特別賞

同コンペの審査に関して、審査委員長の水野誠一のほか、照明デザイナーの石井幹子、アーティストの日比野克彦、慶應義塾大学(SFC)教授の坂井直樹など、デザイン・アート・学術分野の第一線で活躍する人物が審査員を務め、三菱ケミカルホールディングスの特別顧問・冨澤龍一も審査に参加した。

審査員特別賞は、審査委員長ならびに審査員1名につき1枠が設けられ、以下の10点が選出された。

水野誠一賞「ことばの境目」(武蔵野美術大学 真崎大輔さん)

石井幹子賞「Drifting in the mind」(京都嵯峨芸術大学 奥村拓弥さん)

榮久庵憲司賞「風火輪」(武蔵野美術大学 于 冠一さん)

向井周太郎賞「潤杯」(京都市立芸術大学 平澤麻)

柏木博賞「うみのエフィ」(東京藝術大学 栗原綾子さん)

河原敏文賞「人形アニメーションと砂絵の合成」(京都工芸繊維大学 三浦義弘さん)

坂井直樹賞「Re:Sound Bottle」(多摩美術大学 藤原惇さん)

都築響一賞「未来に生きる誰かのために-福島第一原発における封印機能をもった博物館の提案-」(日本大学 菅原雅之さん)

日比野克彦賞「就労継続支援事業所で作られるモノのデザイン」(神戸芸術工科大学 北井沙希さん)

茂木健一郎賞「可愛威」(金沢美術工芸大学 案浦芙美さん)