日立製作所は10月18日、岡山県内に3棟目のデータセンター専用ビルを建設し、「岡山第3センタ」を開設することを発表した。サービス開始は11月1日からで、これにより岡山県のデータセンターは西日本地区における同社の最大拠点になる。
クラウドコンピューティングやビッグデータ利用などに代表される新しいITサービスの需要が拡大しているなか、ニーズを支える基盤としてデータセンターの重要性が増している。昨年の東日本大震災以降、事業継続に対する企業の意識が高まっており、同社は地震や風水害などの災害リスクが少ない岡山県のデータセンターの拡充を進めてきたという。
今回開設した新センターは、岡山県内でも特に堅固な土地に直接基礎工法の免震構造を用いて建設されているほか、二重化された電源設備や指静脈認証装置などを備え、堅牢性と信頼性を重視した設計になっている。地震における予想最大損失比率を示すPMLでは、1.6%という高い評価を受けているという。また、ITU(国際電気通信連合)の国際規格に準拠した冷媒自然循環式局所冷却システム「Ref Assist(レフアシスト)」により、データセンターの空調消費電力の削減と、サーバーラック設置スペースの有効活用が可能になっている。
岡山県のデータセンターでは今後、クラウドサービス市場の成長・拡大に対応した高品質なサービスを提供するとともに、アジア地域を中心とした海外のデータセンターと連携しながら企業のビジネス展開もサポートするとしている。