マルア阿部商店が弁護士に事後処理を一任し、破産申請の準備に入った。負債総額は約2億円。
東京商工リサーチによると、マルア阿部商店は宮城県石巻市に本拠を置く昭和5年創業の水産物加工業者。オキアミ煮干、小女子(コウナゴ)煮干、イワシ煮干等の製造加工を手掛け、ピーク時には約2億5000万円の売り上げを計上した。しかし、消費低迷や販売単価の下落、東日本大震災の津波による工場設備が全壊などにより売り上げが激減。
同社は「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」の認定を受け、新工場の建設に着手し再起を図っていたが、約4300万円の最終赤字を計上し、事業再開を断念した。
東北経済産業局や地方自治体によると、同補助金を受けた企業の倒産は初めてのケースだという。