雪印メグミルクは10月18日、北海道情報大学・健康情報科学研究センターが実施している「食品の臨床試験システム」を利用して、プレーンヨーグルトのヒト介入試験を行ったところ、「Lactobacillus gasseri SBT2055(ガセリ菌SP株)」および「Bifidobacterium longum SBT2928(ビフィズス菌SP株)」がNK細胞の活性上昇とストレスホルモンの低減に寄与することが明らかになったと発表した。

同試験は2011年9月から12月にかけて、32歳から76歳までの224名の健常者(男性69名、女性155名)を対象として、二重盲検・並行群間比較試験により行われた。

被験食は、ブルガリクス菌とサーモフィラス菌に加え、ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株の2種類のプロバイオティクスを含むプレーンヨーグルトを使用し、プラセボ食として前記プロバイオティクス2種を含まないヨーグルト(ブルガリクス菌とサーモフィルス菌を含む)を用いた。

12週間の摂取試験の結果、免疫活性化の指標であるNK 細胞活性について、被験食を摂取した群がプラセボ食群と比較して有意に上昇したという。また、ストレスホルモンである血中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)については、被験食を摂取した群がプラセボ食群と比較して有意に減少したほか、ストレスの指標である血中のコルチゾールについては、プラセボ食群に比較して増加を抑制する傾向が示されたという。

これらの試験結果により、ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株の2菌を含むヨーグルトは、これらのプロバイオティクスを含まないヨーグルトに比べて免疫系の活性化とストレスの軽減効果があることが示唆されたとのことで、同社はこの成果はプロバイオティクスの新たな機能研究の端緒となるものと考えられるとコメントしている。

なお、同研究結果の詳細は、10月24日に札幌市において開催される北方系機能性植物研究会主催シンポジウムおよび12月にアメリカ・ハワイにて開催される「国際機能性食品学会(ISNFF:International Society for Nutraceuticals and Functional Foods)」で発表される予定であり、同社では今後、当該プロバイオティクス2種の免疫系の活性化およびストレス低減効果について、北海道情報大学・健康情報科学研究センターと共同でより詳細な検証を進めて行く予定としている。