Silicon Laboratories(Silicon Labs)は、USBベースのオーディオアプリケーションで使用される様々なコーデックとD/Aコンバータ(DAC)をサポートするクリスタルレスUSB-I2S オーディオブリッジIC「CP2114」を発表した。
同製品は、USBからI2Sへのオーディオデータ伝送プロセスを簡素化するオーディオブリッジICで、多くの時間を要するコード開発が不要であり、スピーカやヘッドホン、ジュークボックス、POS端末、ナビゲーションシステム、VoIPシステムなどのUSBオーディオ関連機器の市場投入までの時間を短縮することが可能となる。
USBシステムの開発では多くの場合、深い専門知識と設計の労力、互換性から不具合に至る問題解決のためのコストがかかる。USB-I2Sオーディオデータ伝送においても、複雑で開発が大変な高度なクロック同期が必要とされる。「CP2114」は、これらの課題に対処する目的で開発されたUSB-I2Sオーディオストリーミング用のプラグアンドプレーソリューションで、フルスピードUSB 2.0コントローラ、USBトランシーバ、クリスタルレス発振器、ワンタイムプログラマブルROM、UART、IIC、I2Sインタフェースを1チップに搭載したことで、クロック用の外付けクリスタルと関連部品を不要とすることができ、オーディオ・システム構成部品のコスト低減ならびに設計の簡素化を可能とする。さらに、コーデックやDACを使う場合の外付けメモリも不要にすることができ、システム構成部品のコストを最小限にすることができる。
また、Wolfson Microelectronics、Cirrus Logic、Texas Instrumentsなど主要なDACやコーデックをサポートしており、独自のオーディオチップセットソリューションを柔軟に実現することができる。さらに、これらの一般的なDACやコーデックをあらかじめ搭載した評価キットも用意されており、設計に必要な時間をさらに短縮できるという。
なお、パッケージは5mm角のQFN。価格は1万個購入時で1.13ドルから。すでにサンプルおよび量産供給が可能となっている。また、GPIO、UART、IICを通じて、USB-I2Sブリッジアプリケーションを評価およびカスタマイズできる評価キット「CP2114EK」は49ドル。一般的なコーデックやDACのプラットフォームをベースにしたUSBオーディオアプリケーション用に最適化した評価キットは82ドルとなっている。