警察庁は10月11日、インターネット・ホットラインセンター(IHC)からの通報による2012年上半期の違法情報の検挙状況を発表した。IHCは違法・有害情報の通報を受けつけるWeb上の機関で、警察庁の業務委託先になっている。
発表によると、2012年上半期にIHCから通報された違法情報数は1万725件で、前年同期よりも1678件減少している。違法情報を端緒とした検挙数は1988件で、前年同期比1413件増。2011年7月1日から本格実施がはじまった「全国協働捜査方式」により、違法情報を端緒にした検挙数が大幅に増加した。
通報数がもっとも多い分類は6961件の「わいせつ」で、前年同期から775件増えている。次いで多いのは「薬物」の1918件で、こちらは前年同期から2026件減った。
警察庁はIHCの通報情報から検挙に至った被疑者を対象に、犯罪歴や犯行動機などに関する調査も行っている。調査結果によると全体の約81.2%が初犯者で、犯行動機は、遊び・好奇心によるものが最も多く約33.3%、性的欲求によるものが約31.2%だったという。また、被疑者の73.9%は「インターネットの利用が逮捕に結びつくことはないだろう」と考えるなど、インターネットの匿名性を背景として犯行に及んでいたことも明らかになっている。