日本HPは10月11日、データセンター内のサーバの状態をリモートで管理できるクラウドポータルサービス「HP Insight Online」を正式に開始した。「HP Insight Online」は7月より、約50社限定でベータ版が提供されていた。
「HP Insight Online」は、HPサポートセンターのWebサイトにおいて、HP通報サービスで収集された構成情報・ヘルスステータス情報やHPの標準保証・保守契約情報などを集約して一覧表示するクラウド情報ポータルサービス。
「HP Insight Online」で参照できる情報は、これまで「HP ProLiantサーバ Generation 8(以下、Gen8)」に限定されていたが、今回のサービス開始にあわせ、対象機器も拡大。既存のHP ProLiantサーバ Gen4~7、HP Integrityサーバ、ストレージのHP P6000/P4000/P2000、ネットワーク製品であるHP Networkingのほか、HP UPSやテープライブラリにも拡大された。
「HP ProLiant サーバー Gen8」は、ハードウェアと管理情報ポータル、および保守サポートサービスを一体化し、導入から監視・運用・保守に至るライフサイクル全般におけるサーバ運用管理を自働化することをコンセプトに開発された新世代のx86サーバで、今年3月から販売が開始されている。
「HP ProLiant サーバー Gen8」は、データセンターの自働化のコンセプト「Project Voyager」により設計されており、「iLOマネージメントエンジン」、「最適化された電力消費」、「スマートストレージ」、「ProActiveサービス&サポート」という4つの機能群を提供する。
「HP Insight Online」は、この中のProActiveサービス&サポートに分類される。
また、「最適化された電力消費」では、これまでサーバの温度情報を検出する「サーマルディスカバリ機能」やサーバの消費電力を検出する「パワーディスカバリ機能」が提供されてきたが、今回新たにサーバの位置情報を検出する「ロケーションディスカバリ機能」も提供される。
ロケーションディスカバリ機能は、オプションキット「HP ロケーションディスカバリキット」により「HP ProLiant サーバー Gen8」などの位置検出機能対応サーバと連携し、ラック内のサーバの位置情報を自動検出し、管理ソフトウェア「HP Insight Control」に通知する。これにより、電力使用量、発熱状況などを、サーバの位置を特定して管理できる。同社では、ロケーションディスカバリ機能により、場所を特定しての空調制御や、ラック単位での電力管理などが可能になるとしている。また、この情報はラック図に自働反映され、ユーザーに提供される。
HP ロケーションディスカバリキットは24,150円~で、同社製サーバにラック(HP インテリジェントラック)に対応する。
日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー&ネットワーク製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は、「HP Insight Controlは、他社との差別化の大きなキーテクノロジーとして位置づけたい。また、HPのクラウド戦略である「HP Converged Cloud」の中核ソリューションにもなる。システムレベルの自働化をデータセンターレベルまで引き上げようというのが、今回の発表の狙いだ」と述べた。
また、同社では同時に、「HP ProLiantサーバ Generation 8(以下、Gen8)」のラインアップを拡充。Gen8シリーズ初の4Pサーバとして、ラックマウント型「DL560 Gen8」とブレード型「BL660c Gen8」、同じくGen8シリーズ初の1Pサーバとなるラックマウント型「DL320e Gen8」、タワー型「ML310e Gen8」を新たにリリースした。
価格は、HP ProLiant DL560 Gen8が64万9,950円~、HP ProLiant BL660c Gen8が96万1,800円~ 、HP ProLiant DL320e Gen8が8万5,050円~、HP ProLiant ML310e Gen8が5万8,800円~。