6月にWindowsタブレット「Surface」を発表しハードウェア分野に進出したマイクロソフトだが、この路線を拡大していくことが考えられそうだ。同社のCEO、スティーブ・バルマー氏が10月9日に公開した株主宛の書簡で、同社の今後の方向性について記している。
バルマー氏はこの書簡でマイクロソフトの事業を「デバイスとサービス」であるとしており、これまでのソフトウェア企業からの転身を図ることを裏付けた。またバルマー氏は、「マイクロソフトのソフトウェアの価値は、人々が職場そしてプライベートな生活においてどのようにデバイスとサービスを利用するかにおいて、見る・触れることができるものになる」とし、これがマイクロソフトの経営や製品開発、製品をコンシューマーと企業に提供する方法に大きなインパクトを与えると述べている。
これまでPCやスマートフォンなどでハードウェアメーカーをはじめとした幅広いエコシステムを築いてきたマイクロソフトだが、これについては、「単一の製品が13億を数えるWindowsユーザー全員にフィットするような画一的なモデルは信じておらず、顧客は選択肢を望んでいると信じているからだ」としている。
だが、「特定の目的に合う特定の端末をわれわれ自身が構築するときが来るだろう」とも述べ、XboxやSurfaceなど、ソフトウェアとハードウェアを一体型で提供する路線を強化することも示唆した。これはもちろん、競合のアップルや「BlackBerry」のResearch In Motion(RIM)などがとるモデルだ。同氏は、パートナーとの協業端末や自社独自端末の両方において、ハードウェア、ソフトウェア、サービス間でシームレスかつ喜びをもたらす体験を提供することに注力していくと続けている。
バルマー氏はこの書簡の最後で、今後の注力分野として「タッチ、ジェスチャー、音声などの自然な方法により操作できる新しいフォームファクタの開発」「技術をより直感的に」「新しい体験とチャンスを企業と個人ユーザーにもたらす方法でクラウドサービスを構築・運用する」「PC、タブレット、スマートフォン、サーバー、クラウドで単一のWindowsプラットフォームを構築し、デバイスを超えてユーザー体験を統一する」などを示している。