リコーは10月10日、オフィスプリンタ「iPSiO」としてカラープリンタ9機種およびモノクロプリンタ2機種の合計11機種を発表した。
今回のラインアップでは、本体の色として、グレーを基調とするモノトーンカラーを採用し、操作パネルや排紙部などのユーザーが操作する部分についてはダークグレーで強調したほか、形状についても角の丸みを大きくした柔らかいイメージを採用するなど、さまざまな環境にフィットするデザインへと一新されている。
今回のラインアップについて同社では、「ワークスタイルの変化により、オフィスではプリンタがMFPへ集約していっているが、個別で使いたいという用途や役員室などにおけるプリンタニーズなどがまだ存在している。また、省エネや環境配慮意識が向上しており、オフィス内における消費電力の4割を占めるOA機器やPCの省電力化が求められており、そうした変化に対応できる機器を他社に先駆けて投入することで、事業拡大を図り、オフィス向けカラープリンタ市場におけるシェア1位を狙う」(同社グローバルマーケティング本部 テクノロジーバリューマーケティングセンター副センター長 兼 第一プロダクトマーケティング室 室長 兼 第二プロダクトマーケティング室 室長の武田健一氏)と開発の背景を語っており、キャッチコピーとして「プリンター進化論」を掲げている。
今回の最大のポイントは、操作部に4.3型フルカラー液晶タッチパネルを採用したこと。これにより、表示画面にさまざまな情報を表示することが可能となり、操作性と視認性の向上を図ることが可能となった。例えばトナー交換や紙詰まり処理の際、アニメーションによる操作ガイダンスを表示して、不慣れな人が作業しても、理解しやすくした。また、SDカードやUSBメモリスロットを標準で装備したことで、メディアに保存されている各種のファイルをパソコンを介さずに液晶パネルにサムネイル表示されたファイルを選択して出力、といったことが可能となった。
さらに、低消費電力化のために複数の技術が搭載された。1つ目は「ECOナイトセンサー」。タッチパネル部に搭載されたセンサにより室内の照度を計測、時間指定による電源のON/OFFのほかに、室内が暗くなると自動的に電源をOFF(明るくなると電源ON)することが可能となった。これにより、モノクロプリンタで従来機比16%、カラープリンタの場合、機種によっては71%の消費電力削減が可能になったという。
2つ目は新開発の「重合トナー」の採用。従来は(プラスチックを粉砕した)粉砕トナーを採用していたが、今回、より粒径の小さな重合トナーを採用した。また、これに合わせて「IPSiO SP C731/C731M/C730/C730M」は感光ユニットを従来のレーザー方式からLED方式に変更しており、これにより扱いが難しいとされてきた重合トナーを深く打ち込むことが可能となった。粒子サイズは粉砕の9μmから6μmへと小型化されており、付着量を減らすことが可能。結果としてランニングコストを低減することができるようになった。
そして3つ目は「Quick StartUp(QSU)機能」。定着ベルトを直接ハロゲンヒーターで加熱する技術で、これにより従来の過熱パイプを用いていた機種と比べて消費電力は50%程度削減できるようになったというほか、スリープモードからの復帰時間短縮も可能になったという。
なお同社では、今回の11機種をさまざまな規模や業種に向けて提供していくことで、月間5000台の販売を目指すとしている。