Analog Devices(ADI)は、JESD204Bシリアル・インタフェース付きオクタル超音波レシーバ「AD9671」を発表した。
同製品は、5GbpsのJESD204Bインタフェースを組み込んだことにより、他のデータインタフェース規格に比べて、超音波システムのI/O配線を80%削減することが可能になった。これにより超音波機器のボード設計を簡素化でき、小型で高性能な超音波システムという要求に対応できるようになる。また、従来以上に優れたデータレート、チャンネル数、解像度に対するニーズにも対応可能となっている。
さらに、8チャネルのデータをRFからベースバンド周波数までコンディショニングを行い、システムFPGAの処理負荷を他のレシーバと比べて、50%以上低減するほか、LNA(ローノイズアンプ)、可変ゲインアンプ、アンチエイリアスフィルタを集積し、業界最高クラスのサンプルレート125MSPS、SN比75dBの14ビットA/Dコンバータ(ADC)によって、超音波画像の品質を改善することが可能。用途としては、ミドルレンジからハイエンドの携帯型もしくはカート型の超音波システムに適しているという。
また、デジタルI/Q復調器、プログラマブルオシレータ、および16タップFIR(有限インパルス応答)デシメーションフィルタが、FPGAに対するデータ帯域幅要求を低減し、多数のチャネルを単一のCML(Current-mode logic)データレーンに結合するほか、13次までの高調波除去機能の付いたアナログI/Q復調器によるCW(連続波)ドップラ処理を有する。これにより、フィルタ設計が容易になり、フィルタ部品やシステムコストの低減や信号感度の改善ができるようになり、CWモード出力のダイナミックレンジはチャネル当たり160dBc/√Hzを超える。
なお同製品は、ADIのオクタル・レシーバ「AD9670」と同様のピン配置のため、共通のPCBボードレイアウトを用いて、カート型や携帯型超音波機器設計に移行することができる。パッケージは10mm角の144ピンBGA。価格は1000個受注時で75.00ドル。10月よりサンプル出荷を開始し、12月より量産出荷する予定となっている。