Texas Instruments(TI)は、PoE(Power over Ethernet)のPD(受電機器)の管理機能とDC/DCコントローラ機能を組み合せたパワーマネージメントIC「TPS23751/23752」2品種を発表した。
2製品は、広い負荷範囲にわたって高い電力変換効率を提供し、軽負荷時の変換効率を競合製品に比べ20%向上できるという。用途として、IPフォンや監視カメラ、ワイヤレスアクセスポイント、各種の産業用機器で使用されるIEEE 802.3at type2(大電力)規格準拠のPoE受電機器などが想定されるという。
2製品はPDコントローラ「TPS2378/2379」などで構成される同社のファミリに位置づけられたもので、TPS2378はIEEE 802.3 type2規格に準拠し、4ペア方式を使用してEthernet CAT-5ケーブル上で25.5~51Wの電力を供給するUPOE(ユニバーサルPoE)対応製品との相互動作性を有する。一方、TPS2379は外付けFETによる負荷制御回路の追加により、出力電力容量を50~100Wに高めている。
IEEE 802.3at type2に準拠し、最大25.5Wの電力をPoE負荷に供給する。さらに、高効率グリーンモード動作によって、軽負荷時に同期整流器をオフにし、可変周波数動作に移行。これにより、20%の負荷動作時に80%を超える変換効率を実現し、軽い負荷から全負荷まで、高い効率を維持することが可能。TPS2378のすべての特徴と機能を備えている他、入力電圧を3.3/5/12Vに変換するDC/DCコントローラも内蔵している。加えて、TPS23752は、ディープスリープ機能により消費電力を節減、コンバータの動作停止後もパワーシグネチャ生成を継続し、消費電力を最小化することが可能。
なお、パッケージは「TPS23751」が16ピンTSSOP、「TPS23752」が20ピンTSSOP、「TPS2378/2379」が8ピンSOPowerPAD。価格は、1000個受注時で「TPS23751/23752」が1.50ドル、「TPS2378/2379」が1.00ドル。現在、サンプル供給中。各製品の評価と製品設計向けに評価モジュール(EVM)とアプリケーションノート「Implementing a 60-W, End-to-End PoE System 」も用意している。