順天堂大学と日立製作所(以下、日立)は、医療・ヘルスケアの研究開発分野において、両組織の連携・協力関係を推進するために、包括連携協定を締結したと発表した。両者は今後、人材交流と互いの研究施設を活用した連携により、臨床現場のニーズに即した先端技術の開発とその早期実用化を推進し、グローバルなライフ・イノベーションの創出をめざす。

10月1日に順天堂大学で行われた調印式(右が順天堂の小川秀興理事長、左が日立製作所の中西社長(順天堂大学のWebより)

両者は、今回の包括的連携によって、高度な医療実績を有する同大学における臨床現場のニーズを早い段階で把握し、日立の医用技術、情報技術などを活用した研究開発および実証により、医療・ヘルスケア分野の先端技術の早期実用化をめざした取り組みを推進する。

患者のQoL(Quality of Life)の向上や医療費抑制など、医療を取り巻く課題の解決にむけ、超早期診断や治療をめざす「先制医療」、個人の体質にあった負担の少ない効果的な治療をめざす「超個別化医療」、治療法を確立し新たな治療機会の創出をめざす「高度医療」の3分野を中心に、共同研究を推進する。

両者は、推進体制として「連携協議会」を設置し、共同研究テーマの選定や研究進捗の管理を行うなど、互いに有益な連携を図り、共同研究テーマの選定にあたっては、両者が参加する「ワークショップ」を開催することで、テーマの探索に向けた情報交換を行う。

さらに、研究者や学生の相互派遣による学術交流と人材育成、研究施設の相互利用を通じた研究拠点の構築を進めて行く予定。

今回の研究分野における包括連携協定は、順天堂大学においては企業との、日立においては医療系大学との初めての締結となり、今後は、それぞれが他大学や他機関などと、グローバルでの連携を推進するなかで、順天堂大学と日立が核となり、自由で柔軟な産学連携の研究ネットワークに成長させていくという。