IDC Japanは10月2日、データセンター(DC)アウトソーシング(顧客企業の情報システムを事業者のデータセンターで監視・運用するサービス)市場の最新予測を発表した。
同調査によると、2012年の国内データセンターアウトソーシング市場は、前年比9.9%増の1兆1,298億円になる見込み。また、2011年から2016年に年平均成長率7.6%で順調に成長すると予測されるという。この背景として、東日本大震災以降、災害対策のためITインフラの運用体制やバックアップ体制の強化を図る企業が増えていることが挙げられている。
事業者によるデータセンター新設が相次いでいることも、市場の成長を促進すると見込まれ、データセンターの新設動向などから、同社では、2012年から2013年に、サーバ設置スペースを貸し出す「コロケーション」サービスなどが大きく成長すると分析している。
また、データセンター事業者が所有するサーバを顧客に貸し出す「ホスティング」サービスは、「コロケーション」サービスを上回るペースで成長すると予測。これは、「ホスティング」サービスが、近年急速に利用が拡大しているクラウドサービスの一部を含んでおり、2013年以降、クラウドサービスが企業の基幹業務システムのサーバ運用にも浸透していくと予測されるため。
さらに、同社ではデータセンターアウトソーシング市場の地域別の予測も行っている。
それによると、東京都では、今後も全国平均を上回るペース(2011年から2016年の年平均成長率8.7%)で市場が拡大することが見込まれ、中国/四国地方(同10.6%)や北海道/東北地方(同8.7%)でも、複数の大型データセンターの建設が進んでいることから、市場規模は小さいものの東京と同等もしくはそれ以上の成長率で市場が拡大すると予測している。
IDC Japanでは、「今後順調な成長が見込まれるデータセンターアウトソーシング市場で、データセンター事業者が成功するためには、クラウドサービスメニューなどの整備、地方型データセンターの活用、災害関連メニューの整備などが重要となる」と述べている。