インターネットイニシアティブ(IIJ)と東京大学(東大)、3Gシールドアライアンスは、スマートシティ構想における通信規格の1つであるIEEE1888に対応した3G通信モジュールを開発し、電力センサを含む各種計測情報を商用のクラウドサービスに提供させることに成功したと発表した。
このIEEE1888対応3G通信モジュールは、同アライアンスが開発を進めてきた3GシールドにArduinoボードを装着し、そこに東大が開発したIEEE1888通信ソフトウェアを搭載させたもの。IIJの3G通信用SIMカードと、IEEE1888通信の受け口となるクラウドサービス「IIJ GIOサービス」によって、このモジュールの動作が検証された。
世界的に広く使われているArduinoをベースに、アプリケーションに応じたシールド(ボード)を装着することで、様々な装置とのインターフェーシング(接続)を容易に行える。これにより、電力センサ、温湿度センサ、照度センサ、CO2センサ、振動センサ、加速度センサ、磁気センサ、ガスセンサ、圧力センサなどのセンサ類や、照明、パトライト、ブザー、開閉器、換気扇などの制御機器類が、3G回線を通じてIEEE1888によるM2Mクラウドサービスに接続可能となり、電力、気象、防災、農業、ヘルスケアなど向けといったスマートシティ構想における基本分野をすべて網羅することが可能になるという。
なお3G通信対応版のIEEE1888通信ソフトウェアは、東大 江崎研究室の運営するIEEE1888ソフトウェア配布ページにて公開されており、9月末にアライアンスより提供された3Gシールドに、Arduinoを組み合わせ、同ソフトウェアを利用することで、誰でもIEEE1888によるM2Mクラウドの開発を進めることができるようになるという。