トヨタ自動車(トヨタ)は10月1日、豊田市や愛知高速交通、中京大学、日立製作所などの交通事業者との連携により、同日より都市交通システム「Ha:mo」の実証運用を開始すると発表した。

「Ha:mo」は、クルマなどパーソナルな乗り物と公共交通の組み合わせによって、人にも街にも社会にも優しい移動の実現を目指す交通サポートシステムの総称。

同システムでは、公共交通機関の運行状況や道路状況に応じて最適な移動手段の情報提供を行うとともに、豊田市内の中京大学および最寄駅計4カ所に車両ステーションを設置して、超小型電気自動車(EV)「コムス」10台を使ったシェアリングサービスを提供する。

今回の実証は、経済産業省が行う「次世代エネルギー・社会システム実証事業」として採択を受け、「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として実施するもので、生活者・交通事業者・コミュニティをつなぐ情報提供システム「Ha:mo NAVI」と、都市内の短距離移動を想定した小型EVシェアリングサービス「Ha:mo RIDE」の2つのサービスで構成される。

「Ha:mo NAVI」は、それぞれ個別に運営されている公共交通などのサービスと自家用車を連携させ、交通需給予測に基づいてCO2排出量と利便性の双方に配慮した移動ルートの選択肢を提示し、利用を促すシステムで、10月から「道路混雑状況を考慮し、電車・バス・自家用車・タクシーなど複数の交通手段を組み合わせ、スマートフォンで最適なルート検索を行うマルチモーダルルート案内」、「マイカー利用を含むルート検索時に、満車・空車状況を考慮したパーク&ライド駐車場の情報もあわせて提供」、「パーク&ライド駐車場と公共交通の利用実績に応じたエコポイント付与」の3つのサービスを開始する。

低炭素交通システム全体の取組みイメージ

また今後は、ルート案内に「Ha:mo RIDE」も組み込み、個人の移動履歴を踏まえた「リコメンデーション」機能や、バスや「Ha:mo RIDE」などの交通事業者に対し需要に応じた機動的な運営を促す情報提供などの機能を追加する予定だという。

「Ha:mo RIDE」は、公共交通の最寄駅と最終目的地との間の数キロ程度の移動につき、超小型EVを用いてカーシェアリング・サービスを提供する。10月から豊田市内の中京大学構内2カ所、名古屋鉄道浄水駅と愛知環状鉄道貝津駅の計4カ所に車両ステーションを設置し、「コムス」10台を運用し、スマートフォンでの利用予約やICカードを使った認証・開錠による無人貸出が可能で、ワンウェイ利用(乗り捨て)もできる。