STMicroelectronicsは、トラック、バス、農業用車両などの大型車両用24Vシステム向けオーディオアンプ「TDA7576B」を発表した。
車載機器に搭載されるオーディオアンプは、高レベルの電気的ノイズなどの過酷な自動車環境に耐えると同時に、短絡、負荷遮断およびチップの温度超過などに対する幅広い保護性能が求められる。12Vの車載機器に使用されるオーディオアンプは高い完成度に達しているが、オーディオ機器メーカーは、同レベルの性能を24Vの車載機器において、外付け部品無しで再現できていない。外付け部品は部品コストを増加させるだけでなく、場合によっては安全性の低下に繋がるという。
同製品は、独自の半導体プロセス技術「BCD5」を用いて製造。電源ブロックと信号管理ブロックを1チップ化できるため、より高コストなマルチチップ手法が不要となる。最小限の外付け部品となり、デカップリングキャパシタ、ブートストラップキャパシタ、外部補整部品が不要となる。また、ピーク電源電圧が60Vでも、チップは損傷を受けない。さらに、同社のカーラジオ用オーディオアンプと同じガイドラインに基づいて設計されている。
この他、20W×2の高出力、省電力スタンバイ機能、ホストコントローラへのアラート通知用診断出力ピン(クリッピング、短絡、温度超過時)、出力のDCオフセット検知、負荷遮断(60V時)、温度超過、静電気放電(ESD)、出力短絡(GND、Vcc、負荷全体)に対する保護などの特徴を有する。
なお、パッケージはMultiwatt15。価格は1000個購入時で約4ドル。