富士ゼロックスは9月28日、モバイル端末にダウンロードした電子コンテンツを、有効期限付きの復号鍵・再暗号鍵を使って安全に管理する暗号化技術を開発したと発表した。
盗難・紛失による情報漏えいのリスクが高いモバイル端末では、機密性の高いドキュメントを安易に扱ってしまうことが大きな課題になっている。盗難・紛失対策として、コンテンツを端末にダウンロードせずに、インターネットを介してサーバーに保存されているコンテンツを閲覧する方法もあるが、通信状態が悪い状況では安定して閲覧できないという問題が残っている。
今回同社が開発した技術の概要は以下の図の通り。電子チケット配信サーバー(A)から、暗号化された電子コンテンツ(B)とともに、有効期限付きの復号鍵(C)・再暗号鍵(D)が記載された電子チケットを受信してモバイル端末にダウンロードし、復号鍵によってダウンロードした電子コンテンツ(E)を閲覧するという仕組みになっている。有効期限を過ぎると再暗号化鍵によって、閲覧できない状態となる。
モバイル端末にダウンロードした電子コンテンツは、電子チケットの有効期限が過ぎると閲覧できなくなる。コンテンツを継続的に閲覧したい場合は、電子チケット配信サーバーで定期的に電子チケットを送る設定を行うことで、モバイル端末で自動更新が行われる。
また、自動更新中にモバイル端末が紛失・盗難にあった場合は、電子チケットの発行を止めれば、有効期限後はコンテンツを閲覧が不可能になる。
同技術はモバイル端末にコンテンツをダウンロードして閲覧する方式を採用しており、コンテンツのダウンロード後は通信状態が不安定な状況でもコンテンツを閲覧できるメリットがあるとしている。