ルネサス エレクトロニクスは9月28日、自社の収益基盤強化に向けた国内生産拠点の再編および人的合理化施策などに関する資金について、大株主であるNECとの保証金差入契約、ならびに日立製作所/三菱電機との融資契約、そして主力取引銀行とのシンジケートローン契約を締結し、合計970億円の資金調達を実施することを発表した。また、併せて、主力取引銀行4行をアレンジャーとした、長期安定資金の確保を目的としたシンジケートローン契約も締結したことも発表した。
株主3社から提供される金額は495億円で、実行日は2012年10月1日。主に構造対策などの推進に係る資金として充当される予定だという。また、金融機関からのシンジケートローンとしては、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友信託銀行株、三菱UFJ信託銀行の4行から475億円を同じく同10月1日を実行日として借り入れを行い、こちらも構造対策などの推進に係る資金として充当される予定だという。
また、長期安定資金の確保を目的としたシンジケートローン契約も上記4行がアレンジャーとなっており、こちらは組成金額1610億9000万円としており、現在推進中の構造対策の推進とさらなる成長を目指す上で必要となる財務基盤の安定化を図るために、短期借入金を長期借入金に借り換えることで長期的な運転資金の確保を行うことを目的としたものと説明している。
なお同社では、今回の資金調達により構造対策などを推し進め、事業ポートフォリオを収益力あるものに変革すると共に、固定費の削減を進め、市況の変化に柔軟に対応できる機動的な費用構造への変革を加速していき、2014年度において、営業利益率10%以上を達成できる企業となるよう取り組んでいくとしている。