タカラバイオは9月27日、ES細胞/iPS細胞などの多能性幹細胞が未分化状態であるか、あるいは分化状態が起きているか、を調べるための試薬「プライマーセット」を2012年10月1日より発売すると発表した。

同社は、京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS) などとともに、ヒトES細胞の品質評価指標の開発に取り組んでおり、ISCI(The International Stem Cell Initiative:国際幹細胞イニシャティブ)やISSCR(International Society for Stem Cell Research:国際幹細胞学会)などにおける幹細胞の国際標準化の議論および既知情報を踏まえ、複数の異なるヒトES細胞株を対象に、幹細胞を特徴づける遺伝子発現についての分析指標の選択と解析を行っている。

今回の試薬は、これらの成果をもとに、ES細胞の未分化/分化の状態で遺伝子発現に差がある(変動する)88種類の遺伝子を選定し、リアルタイムRT-PCR試薬を用いて、幹細胞の遺伝子発現の特徴を検証するために用いられるもの。

1枚の96穴プレートに幹細胞の多分化能と自己増幅能に関連する88種類の遺伝子と8種類の標準(ハウスキーピング)遺伝子のプライマーが搭載されており、各種培養条件で調製されたES細胞サンプルの遺伝子発現をリアルタイムRT-PCRによる相対定量法によって比較することで、対象が未分化(多能性)幹細胞の状態を維持しているかの判別を調べることが可能だという。

また、iPS細胞への適用も可能であり、培養条件の評価はもとより、新たに確立されたiPS細胞の品質評価などにも利用できるとしている。

製品は「PrimerArray Embryonic Stem Cells (Human)」ならびに「PrimerArray Embryonic Stem Cells (Mouse)」の2種類が用意され、価格はいずれも6万5100円としている。

PrimerArray Embryonic Stem Cellsの外観