Maxim Integratedは、3相モータのエネルギー測定と診断用のターンキーソリューション「MAX78638」を発表した。

プロセスオートメーションではミッションクリティカルなポンプやモータが正しく動作しないと、工場全体が操業停止になる場合があり、それにより巨額の損失が生じる可能性がある。従来、これらのモータの監視としては、赤外線サーモグラフィ、振動分析器、高精度な電力品質サブメーターなど、大型で高価な診断ソリューションが用いられてきた。

同製品は、マイクロコントローラ、プリロードファームウェアを実装した演算エンジン、高精度なアナログ-デジタルコンバータ(ADC)を含む全機能内蔵ソリューションで、柔軟に設定可能なセンサインタフェースによって、電流、電圧、速度、振動、位置、温度の測定が可能となっている。

最大10個のセンサを監視することが可能で、平均故障時間(MTTF)やエネルギー消費量を計算することにより、モータの健全性を評価することができる。

また、プリロードファームウェアによってこれらのセンサ測定をが簡単に利用できるため、開発期間の短縮も可能なほか、標準的なマイクロプロセッサソリューションではエネルギーの計算誤差が5%程度であるのに対して、同製品では高精度ADCを活用することで、同誤差を0.5%未満に抑えることが可能となっている。

なお同製品の動作温度範囲は-40℃~+85℃、単価は6.13ドル(1000個以上)からとなっている。

3相モータのエネルギー測定と診断用のターンキーソリューション「MAX78638」のブロック図