村田製作所は9月21日、福祉用具の総合メーカーの幸和製作所と共同で、電動歩行アシストカー「KeePace(キーパス)」(画像)を開発したことを発表した。
同社製MEMSジャイロセンサ(傾きや曲がりの変化を検知する角速度センサ)や傾斜センサ(傾斜角度を計測するセンサ)、倒立振子制御技術などを組込んだ「アシスト制御システム」の進化と、駆動機構や制御機器の最適設計により小型化を成し遂げたことで、坂道での歩行サポートや旋回機能が向上した。
なお、KeePaceは2012年9月26日より東京ビッグサイトで開催される「第39回 国際福祉機器展」の幸和製作所ブースにて、また2012年10月2日より千葉県・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2012」の同社ブースで展示する予定。
同社の技術PRロボット、自転車型ロボット「ムラタセイサク君」や一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」は、ジャイロセンサを核とした倒立振子制御技術によってボディの傾きを検知し、静止したまま倒れない「不倒停止」を実現している。この技術を応用し、2011年のCEATEC JAPAN2011では電動歩行アシストカーのコンセプトモデルを出展していた。
今回はその電動歩行アシストカーを高齢者や足腰が不自由な人向けの歩行補助車として、国内シルバーカーシェア50%を占める幸和製作所と共同開発した形だ。
外形寸法は黒いタイプが全幅400mm×全長250mm×全高950mmで、オレンジ色のタイプが全高が850mmと10cmほど低くなっている。重量は両タイプとも約10kgだ。