NECは9月20日、中日本高速道路(以下、NEXCO中日本)へ、本年4月に開通した新東名高速道路向け交通管制システムを納入したと発表した。システムは、NEXCO中日本の東京支社 道路管制センターに設置された。

システムは、路上センサから収集した大量データ(ビッグデータ)を従来比約5倍となる約1分間隔で収集でき、収集データを高速処理することで、リアルタイムな交通情報の提供を実現する。

大画面(46型×64面および32型×28面の大型表示装置)で見やすい大型表示装置に、現在の道路状況を表示し、管制員による交通情報の共有・確認が可能。また、システムのサーバ設置面積を、従来比約1/10にするとともに、消費電力の大幅削減も実現した。

「新東名高速道路 道路管制センター」の大型表示装置

また、 全744カ所ある路側のアクセスポイントごとにスイッチ機器を設置し、アクセスポイントとセンサ・非常電話を接続するネットワーク(アクセスネットワーク)を従来のメタル回線から、全て高速な光回線に変更しIP化に対応した。これにより、道路に設置されたトラフィックカウンターなど、センサからの大量な情報の収集や、非常電話からの緊急連絡に迅速に対応。アクセスネットワーク間をつなぐローカルネットワークでは、Ethernetリングプロトコルを採用し、光ファイバ断等の障害発生時もネットワークの高速切替(約0.5秒以内)を実現。

交通管制システムの主なデータ処理の流れ

道路分断障害等の障害発生時、幹線ネットワークを活用した広域バックアップ構成で、広帯域かつ高信頼なネットワークを実現。

さらに、新東名高速道路/東名高速道路/中央自動車道の交通管制システムのバックアップサイトを遠隔地に構成し、大規模災害時には、ネットワークを経由して、各システムをつなぎ合わせることで、メインサイトが利用不能となった場合でも、各路上の設備とバックアップシステムとの通信が可能とした。