トレンド総研は、新卒・中途採用面接の最終決裁に携わっている社員500名に対し、社内の「グローバル人材」に対する評価や採用ニーズなどを知るため「グローバル人材に対する企業のニーズに関する意識・実態調査」を実施、その結果を発表した。

同調査は、会社の新卒・中途の採用面接の最終決裁者500名に、8月30日~9月3日の期間で、インターネット調査で実施されたもの。

ここでいう「グローバル人材」とは、海外に留学したり、海外ボランティアとしての活動を経験した人も増えている中で、海外での就業・留学・ボランティア経験などを通じて異文化を受容し、高い問題意識とコミュニケーション力を有する人材を指しているとのこと。

「グローバル人材」の採用が増えている理由は?

まず、「あなたの勤めている会社でグローバル人材を社内に確保することは必要だと思いますか?」と聞いたところ、「非常にそう思う(25%)」及び「まあそう思う(36%)」を合わせて61%と6割以上を占め、多くの企業がその必要を感じていることがわかった。

グローバル人材を社内に確保することは必要だと思うか 資料:トレンド総研

次に、「あなたの会社でグローバル人材の採用数は以前に比べて増えてきていると思いますか?」と聞くと、「増えてきていると思う(40%)」とやや少ない数字となった。具体的に「ここ数年でどれくらい増えています?」と聞いたところ、平均すると約21%の増加で、多いところではグローバル人材の採用数は2倍に増えているという企業もあった。

そこで、(「グローバル人材」の採用が)増えてきている理由について聞いたところ、「グループ内各企業とのコミュニケーションが必要不可欠」、「海外との契約業務を遂行する上で、正確に意思疎通が図れることが極めて重要」と、今の業務において高いコミュニケーション能力を有する人材が必須という意見や、「現時点は国内担当の採用ポジションでも、将来的にグローバルな役割が必要となってくる」、「海外との取引業務が増えてきて、グローバルな考えを持った人材が必要であると感じる」、「国際的な視野で会社の運営を検討する場合、即戦力となりえる人材の確保が必要」と、企業の未来を据えて海外展開を考えていく場合にグローバル人材は必要という意見があった。

「グローバル人材」に寄せられる期待

次に、企業がグローバル人材のどのような点に期待をして採用をしているのか確認した。「グローバル人材のどのような点に期待しますか?」と複数回答で聞いたところ、「コミュニケーション能力(59%)」が最も多く、続いて「語学力(58%)」、「主体的な行動力(38%)」、「交渉力(34%)」という結果になった。

グローバル人材のどのような点に期待をして採用をしているのか 資料:トレンド総研

グローバル人材の採用が増えていると回答した方に「グローバル人材は社内でも活躍をしていると思うか?」と聞いたところ、「そう思う(74%)」と回答し、社内でグローバル人材は活躍していると評価した。

そのように評価される具体的な理由として、「現地交渉や国内との調整、異文化と異言語の中で、同じ目的の達成と製品づくりの完遂に貢献している」、「海外企業に対し、自社との提携によるメリットとデメリットを明確に伝えられ、相手の反応に対して柔軟に対応できたり、機微なニュアンスを伝えられる」というように、他国の文化や言語をしっかりと受容できているからこその能力が評価されていたり、「主体的で活発でコミュニケーション能力の高い人材が多く、他の社員にいい影響を与えている」、「高い問題意識やコミュニケーション力があり、リーダーシップを発揮して活躍している」という意見から、グローバル人材のコミュニケーション能力の高さや主体性が評価されている。

トレンド総研は、今回の調査から「グローバル人材は語学力だけでなく、総合的なコミュニケーション力の高さや主体性ある行動力を発揮して実務でも活躍していると企業からも高く評価をされており、企業のこれからの海外展開においてもグローバル人材を確保することが重要な時代になっていると考えられる」と締めくくっている。