村田製作所は9月18日、携帯電話・スマートフォン用低消費電流送信モジュール「LMPR5LCA-D71/D72」の量産を開始したと発表した。
昨今の携帯電話・スマートフォンは、LTE対応や多機能化により、搭載部品点数や消費電流が増加する傾向にある。こうした中、携帯電話・スマートフォンに不可欠な高周波回路部では、よりコンパクトに設計することや、消費電流を抑えることが求められている。これらの要求に応えるため、村田ではSAWフィルタ、パワーアンプ、スタビライザを1パッケージにした携帯電話用送信モジュールを開発、2011年7月より量産を開始してきた。今回、この送信モジュールにLTCC基板を用いて、多層構造部分に周辺のチップ部品(カプラ、コンデンサ、インダクタ)を組み込み、さらなる小型化に成功。実装面積を従来比で50%削減した。また、スタビライザ(アイソレータ機能)を内蔵することで、携帯電話の使用環境変動時の消費電流を最大で約20%抑制したのに加え、アンテナの状態に依存せず通話品質を維持することが可能になった。
この他、SAWデュプレクサとのマッチングレス設計を可能とし、セット設計時間の削減を実現した。Dual Band対応(Band1/Band5+18)、Single Band対応(Band11) でそれぞれパッケージ品を商品化するなど、さらなる周波数展開を実施している。
なお、サンプル価格は500円。2012年8月より岡山村田製作所にて、月産30万個で量産を開始している。