日本HPは9月13日、企業向けのセキュリティソリューションのラインアップとして、機能を強化した不正侵入防御(IPS)アプライアンス製品の新モデル「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS」と、セキュリティ統合管理ソフトの新しいバージョン「HP ArcSight ESM 6.0c」を発表した。いずれの製品も、処理性能の高速化を中心とした機能強化が図られている。

企業におけるクラウドサービスの利用拡大やビッグデータの活用、モバイル端末の普及によるマルチデバイス化などにより、企業の取り扱うデータ量は増大しており、エンタープライズセキュリティ製品としても、性能向上が求められているという。

「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS」では、前モデルの「N」シリーズからネットワークセキュリティプロセッサを増強・再設計するなどし、大幅に処理能力を向上させている。また、2U筐体で最大16ポートのネットワークポート数の実現、ホットスワップ可能なインタフェースモジュールの採用、10GbE~40GbEまで4つインタフェースモジュールの提供などといったな機能強化が行われた。IPS帯域処理性能では、前モデルと比較して160%となる13Gbpsを実現している。

「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS」は同日より提供が開始され、スループット13Gbpsの「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS HP S7100 NX IPS」が3150万円、5Gbpsの「HP S5200 NX IPS」が2268万円。

新IPSとArcSight ESM 6.0cの価格・販売開始日

「HP ArcSight ESM 6.0c」は、300種類以上の市販製品のログを自動的に収集してリアルタイムに相関分析を実施し、インシデントレポーティングとして脅威の予兆監視や発見的対策を実現する統合セキュリティ監視プラットフォームを構築する製品。発表された新しいバージョンでは、これまで使用していたサードパーティのRDBMSではなく、同社が独自開発した「CORRエンジン」を組み込むことで、前モデルと比較して300%~500%もパフォーマンスを向上させている。また、ログデータを圧縮して格納することで、ストレージデータ量も削減している。

「HP ArcSight ESM 6.0c」の提供開始は10月下旬予定で、価格は未定。

新製品に加え、これまで同社製品ユーザのみに提供していたグローバルで収集している攻撃データや脅威情報に関する統計データを、「HP Information Security Pulse」として公開することも発表した。グローバルでの地域ごとに、脅威発生状況のサマリを見ることができ、これは多くの企業ユーザが現在発生しているサイバー攻撃の状況などを認識できないといった課題の解決を図るとともに、セキュリティに対する関心や啓蒙をうながすといった意図もあるという。