デルは、Dell PowerEdge M1000eのブレード筺体内に収納可能な、同社初のストレージ・ブレードアレイ「Dell EqualLogic PS-M4110」を発表した。

EqualLogic PS-M4110は4タイプあり、1アレイあたり最大14TB、ブレード筺体内では1グループあたり最大28TB、2グループで最大56TBのデータ保存が可能。最小構成価格は265万円(税別)から。

「Dell EqualLogic PS-M4110」

EqualLogic PS-M4110は、ホットプラグ対応のデュアル10GbEコントローラを搭載。このコントローラは従来の1/3の大きさとなり、2GBの使用可能メモリと、データ保護のためにフラッシュできるキャッシュを搭載する。また、筺体外で単一グループ内のストレージを2PB以上まで拡張可能。

2.5インチのドライブ14個収納可能

Dell PowerEdge M1000eのブレード筺体内に収納した場合

また、同社はEqualLogic PS-M4110の提供開始にあわせ、Dell PowerEdge 12世代M420ブレードサーバおよびDell Force10 MXLスイッチを組み合わせた「デル・コンバージド・ブレード・データセンター・ソリューション」も発表した。これにより、単一の10UのDell PowerEdge M1000eブレード筺体内に10GbEデータセンターを構築できる。Dell Force10 MXLネットワークスイッチは、交換可能なFlexIOモジュールを使用しており、1GbE、10GbE、または40GbEへ拡張できる。

コンバージド・ブレード・データセンター

そのほか、EqualLogic PS-M4110およびデル・コンバージド・ブレード・データセンター・ソリューションには、同期レプリケーションによるリアルタイムのデータ保護、データセキュリティ向上のほか、スナップショットスペース借用、ボリュームアンマップ、ボリューム復元機能を提供する「EqualLogic Array Software 6.0」、自動的に診断データを収集する監視・分析ツール「 EqualLogic SAN HeadQuarters 2.5」、ExchangeやSQL Serverに対応した自動スナップショットマネージャを含め、SAN Manager連携機能やVSS連携機能を提供する「EqualLogic Host Integration Tools for Microsoft 4.5」も標準で付属する。

また、同社は新分散型ファイルシステム「Dell Fluid File System」を採用した新しいNAS「EqualLogic FS7600シリーズ」と、スケールアウト・ファイルストレージ「Dell Compellent FS8600」も発表した。

「EqualLogic FS7600シリーズ」

「Dell Compellent FS8600」

新Fluid File Systemでは、同社のストレージ製品であるCompellent、EqualLogic、PowerVaultのプラットフォームで共通化され、スナップショット、レプリケーション、組み込み式のデータ保護機能を備えた共通のエンタープライズクラス分散ファイルシステムが利用でき、ファイルおよびブロック情報を一元管理できる。

Fluid File System

第二世代のDell EqualLogic FS7600シリーズには、FS7600(1GbE)とFS7610(10GbE)があり、EqualLogic PSシリーズ・アレイの新製品または既存製品と統合され、1GbEおよび10GbE環境でスケールアウトの統一ストレージを提供する。これらは、単一ネームスペース内で509TBまで拡張できる。出荷開始日は9月12日で最小構成価格は399万円(税別)~。

Dell Compellent FS8600は、単一ソリューション内でSANおよびNASを実現する。新しいCompellent統合ソリューションは、単一ネームスペース内の自動階層化ストレージをシームレスに1PBまで拡張し、クライアントネットワークへの接続に際して、8Gb Fibre Channel接続、および1GbEまたは10GbE接続の2つのオプションを提供する。提供開始は10月を予定している。

EqualLogic製品を統括する米Dell エグゼクティブ・ディレクター トラビス・ビジル氏は同社のストレージ戦略について、「デルでは、ミッドレンジのマーケットに対して、ハイエンド機能を投入することを戦略の中核にしている。それには、自働化、使い勝手のよさのほか、適正な価格が重要だ。そして、ミッドレンジの顧客に対して製品を投入するとともに、エンタープライズのユーザーも獲得することも狙っている。これを可能にするのがFluid Dataアーキテクチャだ」と述べた。

コンバージド・ブレード・データセンターを紹介する米Dell エグゼクティブ・ディレクター トラビス・ビジル氏

このFluid Dataアーキテクチャにおける戦略は、獲得(企業を買収)し、統合し、革新を加えていくことだという。デルではこれまで6社のストレージ企業の買収を行っており、その中でも、EqualLogicとCompellentが技術の中核になっているという。

Fluid Dataアーキテクチャの戦略

トラビス・ビジル氏はこれについて、「このように企業を買収することにより、他社にはない技術の優位性を提供し、ユーザーに革新をもたらしていく。そして、獲得の次のステップである統合とは、買収によって獲得した技術を他の製品にも搭載していくことで、革新では、デルのエンタープライズ向けのネットワーク、サーバ上で展開していくことを目指している」と説明した。

デル ストレージ・ビジネス本部 部長 小島由理夫氏

国内の販売戦略について、デル ストレージ・ビジネス本部 部長 小島由理夫氏は、「デルの製品は仮想ストレージ環境で利用されることが多い。EqualLogicの製品は、iSCSIの市場ではトップを維持している。これまで、デルでは直販営業を中心に販売してきたが、今後はチャネル販売を強化していく」と述べ、チャネル販売によって、他社の環境にストレージを販売していくことを重視していくと語った。

デルのチャネル戦略