学校でのいじめが再び大きな話題となっている日本、だがいじめは日本だけの現象ではないし、学校だけでの現象でもない。米国でも、3人に1人が職場でのいじめを経験したことがあるという。
就職や転職情報サイトの米CareerBuilderが8月末、職場でのいじめをテーマにした調査結果を発表した。それによると、35%の人が「オフィスでなんらかのいじめを経験したことがある」と回答、前年の調査では27%だったというから、職場でのいじめを感じている人が8ポイントも増加したことになる。いじめの結果、「健康が関係する問題に悩まされた」という人は16%、17%の人が「状況から逃げ出すために退職した」というから、かなり深刻に悩んだとみえる。
では、「いじめている」と感じるのはどのような人か。
最も多かったのは「上司」(48%)で、「自分の直接の上司ではないが、自分より上の立場にある人」も26%いた。これらは、立場が上という地位を利用した"パワーハラスメント"といわれるもので、日本でも関連した本が出版されている。上司に並んで多いのが「同僚」で45%、「顧客」も31%が回答している。年齢からみると、54%が「自分よりも年上の人」と回答した。年下からのいじめや嫌がらせもあるようで、29%が訴えている。
被害を感じている人は、これらの人からどのようにいじめられたと感じているのだろうか?
最も多かったのが、「自分のミスではないことを自分の過失とされた」で42%、次いで「無視される」が39%、「他の人とは違う態度を自分にとる」(36%)、「常に批判される」(33%)と続く。「うわさ話をされる」(26%)や「プロジェクトや会議から意図的に外される」(18%)なども挙がっている。
いじめを感じた人はどのように対応しているのだろう?
「相手と直接話をしていない」(51%)、「相手と直接話をした」(49%)と対応はまっぷたつに分かれている。対策を講じた人のうち、半分が「いじめ行為がなくなった」と効果を感じているが、11%が「さらにひどくなった」と述べている。38%は「変化なし」とのことだ。人事部に報告した人は27%おり、そのうちの半分近くが人事部より何らかの対策がとられたとしたが、半分以上は何も対策がとられなかったとのことだ。
最後にCareerBuilderは職場でのいじめを感じている人に対し、以下の3つのアドバイスをしている。
1、いじめに関する事件をすべて記録しておく(日時、場所、何がおこったのか、誰がいたのかなど)。
2、いじめていると感じる人に話をすることを検討する。その際には、不正と感じた行為の実例を提示するとよいだろう。ひょっとすると当の本人は、あなたがいじめられたと感じていることに気がついていないかもしれない。
3、解決にフォーカスすること。本人や会社の人事など他の人に報告するとき、職場環境の改善を中心に話をするよう心がけよう。