アルプス電気の子会社アルプス・グリーンデバイスは9月12日、長時間駆動タイプのモバイル機器に最適なパワーインダクタ「GLMH」シリーズを発表した。
モバイル情報機器では、軽量・高機能化に加えて、長時間駆動への対応が求められている。長時間駆動を実現するためには、CPUや各種デバイスのほか、電圧を変換して電源を供給するDC/DCコンバータにも消費電力の低減が求められており、搭載されるパワーインダクタも、高効率化への対応が必要となっていた。しかし、従来のパワーインダクタでは、CPUの低負荷状態における電力変換効率に課題があった。
同製品は、コア材に次世代磁性材料として注目されているアモルファス合金の磁性材料「リカロイ」を採用することで、電力変換に伴う損失を低減させており、特に低負荷時における高効率を実現したという。また、薄いコイル線材に高精度な鍛造加工を施す独自技術を生かしたコイル端子一体構造を採用。コイル線材を端子としても使用することで、別体端子を採用する同等インダクタンス値の従来品に比べ、直流抵抗を10~20%低減することに成功した。さらに同構造により、直流抵抗を±5%の狭公差に抑えるとともに、高負荷時における発熱も抑えられ、従来品に比べて大電流にも対応が可能になったという。
なお、サイズは6.5mm×7.5mm×3.0mm。サンプル価格は150円。2012年9月よりサンプル出荷を開始し、11月より量産を開始するほか、2013年8月には月産300万個体制に拡大していく方針。