三菱電機は9月12日、衛星通信地球局の電力増幅器に使用される高周波デバイスとして、出力50W・電力付加効率30%・線形利得9dBを実現した「Ku帯50W GaN HEMT(型番:MGFK47G3745)」を開発、10月1日より発売することを発表した。
同製品は、GaNを用いて24V動作させることで出力電力50Wを実現したほか、電力付加効率は従来品比で10ポイント改善となる30%を達成している。また、新開発の高耐圧ゲート構造とレイアウトの最適化により線形利得9dBを実現している。さらに、出力電力20W(43dBm)時のIM3として-25dBcの低ひずみ特性を実現している。
これらの性能により、従来のGaAsデバイス比で電力増幅器を構成するデバイス数を半分にすることができるようになるほか、電力付加効率の改善と回路で発生していた損失低減による効率改善により、電力増幅器の小型・低消費電力化が可能になるとしている。
なお、同製品のサンプル価格は10万円(税別)、同社ではKu帯 GaN HEMTのさらなる高出力化などを図り、製品ラインアップの拡充を進める計画としている。