ケンコーコムは、NTTデータソルフィスの導入支援を受け、クラウドサービス「Amazon Web Services(以下、AWS)」上に、SAPの統合基幹業務パッケージ「SAP ERP」を導入し、8月より本格稼動させたことを発表した。
ケンコーコムは、東日本大震災を機に、安定的事業運営の構築を目指して、オンプレミス(自社運用)のサーバシステムからクラウド対応のシステム構築に着手し、2011年内にAWSへの移行を完了した。一方、商品数・顧客数の増加に伴い拡大している業務の効率化と安定化に向け、企業全体を統合的に管理する基幹システムとなるSAP ERPの導入を進めていた。
AWS上へのSAP ERP導入は、リスク分散・BCPという意図だけではなく、ケンコーコムの速いビジネススピードにあわせた選択で、この導入により、一層の業務の効率化と安定化を図り、今後の更なる成長・業容拡大にも迅速に対応する。
今回のシステムは、SAP ERPを中核としてベストプラクティス、テンプレート、導入のノウハウを一つにしたパッケージのSAP Business All-in-Oneという形で導入、NTTデータソルフィスのテンプレート「専門商社向けモデルシステム(BMT)」が使用されている。
SAPジャパンは、ソフトウェア導入の選択肢とクラウドコンピューティングのイノベーションを提供する活動の一環として、AWS上でのSAPソリューションの動作確認を進めてきたが、2012年5月には、AWS上でのSAP Business All-in-Oneソリューションの稼働について検証および評価を経て認証を発表した。
ケンコーコムのAWS上へのSAP ERPの導入は、この認証後、本番環境における商用利用としては日本で初めての事例となるという。