日本マイクロソフトは9月7日、都内のホテルにおいて年次のパートナー総会「マイクロソフト ジャパン パートナー コンファレンス 2012」を開催。代表執行役 社長 樋口泰行氏は、Windows 8、Windows Server 2012、新しいOfficeというビッグな3製品の発売を前に、販売への意気込みを語った。

身振りを交え講演する日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行氏

同氏がまず語ったのは、好調な同社の業績について。

「私が社長になって4年になるが、4年前は日本マイクロソフトはMicrosoft内の先進国グループの中で最下位だった。それが一昨年にNo.1になり、昨年も2年連続で最優秀国になった。これもパートナー様のおかげだ。今年も7月がら新年度が始まっているが、V3を狙っている」と述べた。

そして、「我々は信頼される会社を目指しており、そのためには、社員も信頼されなければならない。おかげさまで、マイクロソフトの製品はミッションクリティカルな基幹システムでも利用されており、多くのお客様に信頼されている。最近では、外資系のイメージもなくなるつつあるという声を聞いており、好感度も向上している。今後は日本に根付いた会社を目指していきたい」と、2011年2月1日付で、社名をマイクロソフトから日本マイクロソフトに変更した意義を改めて語った。

また、最近の顧客の変化について同氏は、リーマンショックや東日本大震災直後はコスト削減や事業継続性が注目されていたが、最近の中国や韓国の台頭によって、顧客の意識も変わりつつあり、社風改革、情報活性化、世界視点、ガバナンスの向上、インテリジェントなオペレーションに注力しつつあるとした。

顧客の変化

そして、「まさにこれらを支えるのがITであり、クラウド、ビッグデータ、ソーシャル、ジェスチャー/音声認識、デバイスの多様化、コンシューマライゼーション、ユビキタスなど、ITも進化している。我々はこれらをきっちりウォッチして、組み立ててお客様に提案する必要がある。今年は、Windows 8、Windows Server 2012、新しいOfficeと、マイクロソフトがはじまって以来最強の新製品が出てくる。この中でも最大のブレークスルーがWindows 8だ。Windows 8は『Windowsの再創造』をキーワードにしており、万能なソリューションだ。このモーメンタルをパートナーと完全同期して新しいインパクトを与え、日本を元気にしていきたい」と締めくくった。

樋口氏は3大製品による「新しい時代をパートナーと共に」と訴えた

これを受け、パートナービジネスを統括する日本マイクロソフト 執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャーの高橋明宏氏は、パートナー施策について説明。

日本マイクロソフト 執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャーの高橋明宏氏

同氏は、「今年度は3大製品がリリースされるが、これらを全社一丸でドライブしていきたい。とくにフォーカスしたいのは、パートナーとの距離をさらにもう一歩詰めることだ。これまでどおり、パートナーの数にはこだわっていくが、この3製品を全国均等に販売していくためにも、質の部分にも重点をおき、ゴールドパートナーを各拠点に配置することにも力を入れていきたい。また、クラウドについては、Office 365でオープンライセンスを展開するなど、Office 365をクラウド製品の主軸として、パートナーがより売りやすい環境を整備していきたいと思っている。そして、Windows Server 2012を中心とするサーバ製品は、150万社といわれるSMBの市場に対するテレセールスのやり方をもっと分析するほか、知識やサポートの部分でアドバイスできるテクニカルな人間を増強したいと思っている」と述べた。

また、同氏は出遅れ感のあるタブレット市場については、「iPadやAndroidが台頭しているが、これらが本当にビジネス環境にオプティマイズされているかといえば、そうでもない。Windows 8(タブレット)は、完全なPCで妥協がない。完全互換だ」と述べ、iPadやAndroidのようにWindows PCの代替機ではなく、Windows 8はPCそのものである強みを強調した。

そのほか、Windows XPが2014年4月でサポート終了を迎えるにあたり、法人を中心にWindows 7への移行が進むなかで、Windows 8の魅力をどう伝えるかについて同氏は、Windows XPがインストールされているPCにWindows 8を入れれば、起動時間が約1/3と、体感できる程度にスピードが向上できる点や、互換性がこれまでのOS以上に高い点を挙げた。