米Googleは9月7日、オンラインマルウェア検出サービスのVirusTotal(スペイン)を買収した。買収金額などの詳細は非公開。VirusTotalはURLおよびファイルのマルウェアチェックができるサービスを無料で提供しており、WebブラウザをはじめとしたGoogleが提供するサービスの安全性を強化することが狙いであると予想される。
VirusTotalは、ウイルス、ワーム、トロイの木馬などのマルウェアスキャンサービスを提供するセキュリティサービス企業。McAfee(米Intel傘下)、米Symantec、フィンランドF-Secureなど多数のセキュリティベンダーから収集したマルウェア情報をアグリゲートし、これを元にURLやファイルをスキャンして安全性を調べる。Webブラウザ経由で利用するオンラインサービスのほか、デスクトップアプリ、「Google Chrome」「Opera」「Firefox」「Internet Explorer」などのWebブラウザのプラグインとしても提供されている。
VirusTotalは自社ブログにて、「Google傘下に入ることでマルウェア検索ツールを改善できるとともに、Googleのインフラを活用することによる安定したサービスの提供が図れる」と述べている。同社は買収後も独立した企業として運営され、ウイルス対策ベンダーやセキュリティ専門家との関係を継続していくという。
Googleはこのところ、オンラインでのマルウェア対策を強化しており、Chromeにマルウェア検出機能を統合している。Androidでもアプリストア「Google Play」でマルウェア対策として「Bouncer」を持つが、引き続きマルウェアを含むアプリが発見されるなど、マルウェア対策が課題とされている。